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特集記事 5
 
山口潤子の スペイン旅行記 2



2月9日(水)晴れ

グエル公園へ
今日も友人と二人でバルセロナ観光。バルセロナ滞在最後の日にしてやっと天気に恵まれる。まずはグエル公園へ向かう。と歩き始めるその前に、通りがかったケーキ屋さんで朝ごはん。トローンというスペインの甘いお菓子が目に止まり、中華まんより大きいけれど2人で挑戦してみる。おいしいんだけど強烈に甘くてたくさんは食べられない。ギブアップしてお持ち帰り。体に糖分が行き渡ったら、ウォーキングを再開。この旅で万歩計をつけていたら、結構な数字になったと思われるくらいよく歩いている。
 
グエル公園も最寄駅から歩いて15分。迷いながらも何とか公園の上のほうへ到着。これはまたすごい。今まで見てきたガウディーのカラフルな建築とは違って、地味な石を使っているだけなのに、アーチだとか斜めの柱だとか形がとても面白い。階段を下りていくと、あの有名なモザイクの広場やトカゲが現れた。ここからはサグラダ・ファミリア教会をはじめバルセロナの街が一望できて気持ちが良い。さらに下へ降りてくと絵本にでてきそうな、かわいい家が出入り口をはさんで2軒あった。その家の隅のほうで、モザイクタイルの修復工事をしていたので、職人好きの私と友人は近寄ってしばらく観察した。そうしたら友人が職人さんに何か話しかけて、なんとタイルの破片をもらっているではないか。すごい。その破片は私にも分けてくれた。すごい嬉しい。グエル公園のタイルと同じタイルが私の手の中に! これは一生の宝物。
 
サン・ジョセップ市場
タイルが手に入ってグエル公園に大満足したら、今度は市場へ移動。果物や野菜、肉、魚、グミ、チョコなどきれいに並べられて大量に売っていて、二人で思わずチョコやグミ、フルーツなどあれこれ買い物をしてしまう。値段はそれほど安くないが、チョコはすごくおいしかったし、グミは日本ではありえないような色や形をしていて面白かった。ひとしきり見て買ったら、市場の隅にある食堂で昼食を食べた。ここでもショーケースにある魚のフライやポテト、サラダなど指で指して食べたいものをお腹いっぱい食べられて大満足。
 
マクバとミロ美術館
食事が終わったら、バルセロナ現代美術館 (通称マクバ) に行く。片面ガラス張りで吹き抜けの階段になっているところなど、豊田市美術館によく似ていた。ただ、広さは豊田市美の3倍はあって、ざっと作品を見ただけで、昼食分のパワーを使い果たしてしまった。 最後にもう一つ、体力を振り絞ってミロ美術館へ向かう。だが、閉館時間までそれほど時間がなかったので、作品をみるだけで、ゆっくりショップやカフェに行くことができなかった。ここの美術館は丘の上の見晴らしの良い場所にあるし、いつかまた来るときはゆっくり訪れたいと思った。
 
寝台車でマドリッドへ
へとへとになってしまったので、マドリッドへ一緒に行くメンバーとの待ち合わせのカフェへ早めに行き、ゆっくりとメンバーを待つ。集合時間の夜9時になり、松岡さん含む初日にあった人たち5人と一緒にマドリッド行きの寝台列車へ乗り込む。荷物を置いて、まず食堂車で飲み物を頼んで、松岡さんとジャウマさんが人数分作ってきてくれたサンドイッチを食べる。半分にスライスしたフランスパンにつぶしたトマトがぬってあり、その間にふわふわの卵焼きが入っていて、おいしかった。しばらくみんなでおしゃべりした後、それぞれの部屋に戻った。ドラマや映画でしかみたことのなかった寝台車は何か事件が起きそうな雰囲気だったけれど、現実にはそんなことはなく、実に安全で、ぐっすり眠ることができた。
 
 
2月10日(木)晴れ

マドリッドに到着
朝7時、車掌のノックで目が覚める。いつの間にか朝になっていて、マドリッドに着いていた。急いで支度をして降り、駅のカフェでクロワッサンとカフェコンレチェ (カプチーノ) を頼んでみんなで朝ごはん。スペインのパンはどこ店のもおいしい。食べ終わって一息ついたらホテルへ移動する。安いホテルだと聞いていたが、街の中心部ソル駅のすぐ近くで、部屋も清潔で安全で問題はない。スペインのホテルは全体的に安いらしい。荷物を置いて一休みしたら、今回の旅のメインイベント、アルコへ出かける。
 
ARCO05
アルコはスペイン最大の国際アートフェアで、国内外のギャラリー約250、アーティスト約4000人が出展しているという。会場は幕張メッセみたいな大きなイベント会場で、とにかく広い。10日は関係者の入場のみだが、ジャウマさんが今回出展しているので、私と友人も一緒に入れてもらえた。まずはみんなでジャウマさんの作品を見に行く。せっかくの作品が床に重ねて置かれていてもったいなかったが、作品はどれもおもしろくてよかった。
 
続いてみんなばらばらと近くのギャラリーを見始める。そこで、松岡さんが効率良く隅から順番に見て行こうと提案してくれ、日本人チームはそれに賛成。それからはひたすらずっと作品を見続ける。時間がないので映像作品はパス。ぱっと見て引かれるものをじっと見て行った。松岡さんに似てる人形や、穴の中に入ってゆったり休める建築など面白いものはたくさんあった。日本からはミズマアートギャラリーが出展していて、足を止めている人が多かった。途中、お昼休憩をはさんで、あとはただひたすら足と目を動かして見続けた。体はだんだん疲れてくるが、気持ちはワクワク楽しくてたまらなかった。
 
それでも最後のほうは、意識が朦朧としてきて、松岡さんが言った「もしかしたら人生変えるような作品に出会えるかもしれない」という言葉だけを支えに全ての作品を見遂げた。達成感を感じつつ来た道とは違う方向から待ち合わせの場所に戻った時、「あれ? これ見てない。」と思った作品が結構あった。やはりあれだけの量を全部見るのは1日では足りなかったので、2冊組の厚さ6センチにもなる35cm四方のカタログを迷わず購入した。これでこの旅行で購入した本は7冊に。帰ってから体重計でこれらの総重量を量ったら、なんと7.5kg。お米5kgとプラスその半分を持ち歩けたなんて、私、お嫁にいけない。
 
きのこ専門店
ホテルに戻ってしばし休憩した後、えのきやしめじ、しいたけといった日本のきのこも扱っているお店へ出かけ、みんなで夕食を食べる。オリーブをたくさん食べていたせいか、普段全然お酒をのめない私でさえ、ワインが飲みやすくてグラス1杯飲めてしまった。旅のいきおいは恐ろしい。夜12時頃まで話好きなスペイン人はこのお店でおしゃべりを続け、モロッコへ行けばお酒が飲めないので、その後場所をクラブに移してまたスペインチームはお酒をのみ、ベットに入ったのはなんと4時半のことだった。
 
 
2月11日(金)晴れ

国立ソフィア王妃芸術センター
いくら昨晩寝るのが遅くても、せっかくの旅行だから寝坊はできない。根性で9時に行動開始。今日は松岡さんたちと国立ソフィア王妃芸術センターとプラド美術館に行く予定だが、まだ男性チームが起きてこないので、友人と2人でお買い物。1時間ほどしたら松岡さんとジャウマさん起きてきて、昨日からおなじみのカフェで朝ごはん。クロワッサンとコラカオを頼む。どっちもすごくおいしい。
 
お腹も気持ちも満たされたらジャウマさんがスペインの中心といわれてるマヨール広場へ案内してくれるというのでついていく。歴史のありそうな立派な広場だった。ここでジャウマさんは再度アルコへの行くでお別れをし、松岡さんと3人で国立ソフィア王妃芸術センターへ向かう。ここの目的はなんと言ってもゲルニカ。すごい。しばらく釘付けになる。迷いのない線。強いパワーをひしひしと感じた。他の作品も一通りをみて芸術センターを後にする。 昼食は、おそらく観光客はあまり入らなそうな気取ってないバルで名物のいかリングをパンではさんで食べる。いかの味と塩味がしっかりきいていておいしい。
 
プラド美術館
ごはんを食べてパワーを充電したら、今度は世界三大美術館のプラド美術館へ乗り込む。ここでは、ゴヤやベラスケス、ルーベンスなど、素晴らしい作品をたくさん見る。中でも 一番衝撃的だったのがボッシュ。一度見たらなかなか目が離せない。隅から隅までその奇妙で不思議な世界をじっくり眺めた。精魂使いはたして作品を鑑賞したら、ホテルで夕食まで休憩をする。そしてまた長い夜がはじまる。この日はおいしいマドリッド名物のハムをたくさん食べた。そしてフラメンコバーというフラメンコの音楽ばかりが流れているバーへ行き、閉店時間の3時までお付き合いして、ホテルに着いたら即寝てしまった。
 
 
2月12日(土)晴れ

別れの日
いよいよスペイン最後の日。今日のお昼の便で松岡さんたちもマドリッドを離れ、モロッコへ旅立つので、一緒に空港へ行くことに。昨日はみんな起きるのが遅かったのに、今朝はきっちり時間通りに集合するところはさすが。2泊で45ユーロ (約6000円) という格安ホテル料金を払い、タクシーで空港へ移動。なごり惜しいけど、連絡先を交換し、数少ない暗記したスペイン語で言えるありったけのお礼「ムーチョス グラシアス」 (いろいろありがとう) を言って、両頬を合わせ、別れた。モロッコに対してほとんど知識の無い私は、みんながコレラや赤痢菌に感染しませんようにとお祈りした。 帰りはパリのシャルルドゴール空港を経由して、成田へ。シャルルドゴール空港の広さと分かりにくさと人のぶっきらぼうさには困ったけど、無事成田行きの飛行機に乗ることができ、行きはあんなに長く苦痛に感じた飛行時間が、帰りは寝ていたらあっという間に成田へ着いてしまった。
 
 
2月13日(日)晴れ

ビバニッポン
成田に着いたのは、時差が+8時間あるので、13日の午後2時すぎ。乗り換え時間がしばらくあったので、懐かしの日本食を食べる。日本語でみんな話してる! 水が無料だ! と当たり前のことに感動する。そして、成田から名古屋空港へ向かう飛行機の下には、美しい富士山がくっきりと見えた。ビバニッポン。旅行から戻るといつも思うけど、ほんと日本はほっと安心できる。そして名古屋空港へ無事到着。短いけど充実したスペインへの旅が終了した。
 
最後に、大変お世話になった松岡さんはじめ、親切にしてくれたジャウマさん、カニャさん、アナさん、ヨウくん、リュイスさん、それに、行っておいでと背中を押してくれたマッチングモウルの2人、いっぱい助けてくれた敏ちゃん、その他ご協力いただいたみなさん、そして最後まで読んでくださったあなたに心から感謝します。本当にありがとうございました。そしてまた行きたいです。
 

 
 
  これがトローンです
 
 
  グエル公園のかっこいい石のアーチ
 
  タイル職人さんたちありがとう!
 
  きれいに商品が並ぶサン・ジョセップ市場
 
  大きなマクバ
 
  ミロ美術館へはトラムへ乗って行く
 
  アルコの会場外観
 
  作品を見せてくれるジャウマさん
 
  これが松岡さんに似てる人形。
  奥のおじさんにもそっくり
 
  みんな穴に入ってくつろいでた建築作品
 
  きのこ専門店での食事風景
 
  マヨール広場でジャウマさんと記念写真
 
  本物のボッシュだよ!
 
  魚の塩漬け。おつまみがおいしい。
 
  みなさん本当にありがとうございました
 
 
  きれいな富士山が見えました
 

文責/オフィス・マッチング・モウル 山口潤子
 

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