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松岡徹のバルセロナ日記 07


2004.11/27


お元気ですか? だんだん冬になってきましたね。今日スペイン語の授業があってふと気がついたのですが、スペイン語がほんのすこし上達したようです。相変わらず何言ってんだかわからないことには変わらないのですが、なんとなく理解できたりしている自分を発見したのです。
 
9月にこちらに来たので、もうすぐ3ヶ月経つのですが、そう簡単には話せるようになるものでもありません。考えるにいくつも理由 (いいわけだろ!) はあります。途中2週間日本に戻ってようやく波に乗ったレッスンを中断した事、ビザ、大学などの書類手続きが想像を絶するいい加減さと融通の利かなさで散々な思いをして時間を使っている事 (現在進行形)、住んでいる町がカタルーニャの住民が多く、だいたいカタルーニャ語で会話している事 (これについては後で説明しますね。) 、中学1年のときから英語が嫌いになりそれ以来語学に対して苦手意識が強い事、そしてなにより36歳になった脳みそが思った以上に覚えてくれないこと。いやはや言い訳したらきりがないですね。情けない……。
 
しかし、しかしです。今日はじめて感じたのです。『お、すこし会話できた』と。もちろん簡単な内容なので、そのくらいいい加減わかってあたり前なレベルなんですが、僕にはかなりうれしい感触でした。バルセロナに来ようと思って約1年前から少しずつ勉強 (ラジオNHKスペイン語会話、毎朝は大変だった けど) はしていたからなんとか旅行会話程度はできるかな、とタカをくくっていたのですが、生活レベルの会話の速さに対しまったく聞き取ることができず冷や汗を何度吹き出したことか。来た当時はまったく話せないのと一緒でした。
 
「日本人は話すのが速い。普通に話す会話のスピードに付いていくはものすごく大変だ」と日本語を勉強している留学生に言われた事を思い出しました。きっと外国語というのはそういうものなんでしょうね。会話の途中で2つ3つ知ら ない単語があっただけであっという間に混乱し話についていけなくなります。耳が慣れる、という言い方をよく聞きますがその意味が少し分かった気がします。ようやくにして今耳が慣れ始めて来た、という事でしょうか。今の段階は100がスペイン語マスターだとしたら4か5まで来たところでしょうか。ようやく入り口に入ったと言う感覚です。
 
先ほど書いた、カタルーニャ語、の事ですが僕の住んでいるサンフィリュの町は古い町なのでカタルーニャ人が多くどこに行ってもカタルーニャ語ばかりが聞こえてきます。どういう事かと言えば、ここはスペインという国ですが、カタルーニャという別の国なのです。場所でいうとバルセロナを中心としたスペイン北東部、あとピレネー山脈を超えてフランスの南西部少しにまで及ぶ地域がそれにあたります。古くからカタルーニャという民族が暮らしてきたのがカタルーニャ地方であり、スペイン語とは人間も言葉も違うのです。
 
たとえば日本人の多くはガウディやミロをスペイン人だと単純に思っている人が多いと思います。しかしきっと彼らが生きていたら言うはずです。「わたしはカタルーニャ人です」と。ややこしい歴史についてはいい加減な説明しかできないからやめときますが、とにかくつい30年位まえまでスペイン政府によってカタルーニャ語は使う事さえ禁止されていてある意味虐げられて来た長い歴史があります。ミロやガウディも相当苦労したようです。ガウディはカタルーニャ語を話したとして警察に捕まったし (4時間だけど) 、ミロはスペインでは仕事がなかった時代もあります。
 
同じようにスペイン北部のバスク、という地方 (これも国、と言わないと怒る人がたくさんいます) も同じような状況でこの民族の過激派、 ETA (バスク祖国と自由) はこれまでに何度もテロ事件を起こしていて今年の3月のマドリードの列車爆破事件にも関係があるもと言われています。カタルーニャの人たちははそこまで過激なことはしませんが、それでも積年の恨み、そして独立したいと思っている人もいます。だからより自分の文化や風習、言葉に対する愛着心は強く多くの人がカタルーニャに対する愛国心をもっています。
 
そんなわけで僕の周りはカタルーニャ語だらけなのです。どんな言葉かと言えばフランス語とスペイン語の中間位の言語で、もちろんスペイン語も彼らは話せますし、僕と話すときはスペイン語で話してくれます。バルセロナの町中ではスペイン語を聞く事が多いし生粋のスペイン人もたくさん暮らしています。愛国心の熱い人は「どうしてスペイン語なんか勉強するんだ??」「カタルーニャ語じゃ駄目なのか?」と問いつめてくる人もいてほんとうに困ってしまいます。
 
そんな時は、スペイン語は発音が日本人にとって簡単だし (ア、エ、イ、オ、ウが基本) カタルーニャ語はほんと聞くだけでも難しそうだからと言ってます。もちろん話せたらどれだけいいだろうか知れません。少しずつ覚えてはいますが、 とてもじゃないけど手が回りません。まずスペイン語。ひとつひとつ少しずつがんばります。そんなわけでカタルーニャ語の中でスペイン語を勉強している毎日。これはこれで面白い体験。しかもここはイスラムに占領されていた時代もありそれも含めていくつもの文化が混じりあいながらもそれぞれが強く主張しそれがまた共鳴していることが僕が感じているこの場所のおもしろさの一つなのかもしれないですね。
 

 
 
 
 カタルーニャに古くから伝わる伝統芸
 能「カステーユ」(人間の城)。高さや
 正確さを競うらしい。一番上は小さな
 子供が登る。「力、平衡感覚、勇気、
 冷静」が大切で、ひとりの力をみんな
 のために使うという考えがあるそうで
 す。これがカタルーニャ人の社会の象
 徴であって、カタルーニャ人の国民性
 なんだそうです。祭りの度にやってい
 る事がおおいので結構あちこちで見ま
 す。生演奏にあわせて完成する様子
 はなかなか見物ですよ。写真はサン
 フィリュの教会前でやったカステーユ
 の様子。
 
 
 スペイン人によって殺されたカタルーニ
 ャ人が捨てられた場所。こんなモニュメ
 ントや公園がたくさんある。サンタ・マ
 リア・ダル・マル教会横。
 
 
 サンフィリュ駅。国鉄近郊線。ここから
 大学やバルセロナ中心街に出かける。
 
 
 ホームと停車中の電車。落書きだらけ。
 一番の中心街プラサカタルーニャまで
 15分。電車の中ではなぜかクラッシッ
 クが流れている。さらにみんなおしゃベ
 りして日本の電車の中とはぜんぜん
 違う。
 
 サンフィリュ駅の中にあるBar(バル)。
 ときどき電車町のときコーヒーをいただ
 く。1ユーロ。ウエイターの一人が空手
 やっている日本好きの人で僕が行くと
 日本語を教えてもらいたがる。
 
 地下鉄のホーム。です。たしかカタルー
 ニャ駅の1番線ホーム。さあ電車きまし
 たーの図。

 

 
 
    

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