展覧会について
 
2003年、名古屋大学の一般教養の学生を対象におこなわれた心理学基礎セミナーで、受講した11名の学生とアーティストによる異例のコラボレーション(共同制作)が「ワークショップ」という形式で、半年に渡って実施されました。
 
このプロジェクトは、現代美術のアーティストである小川信治の発案によってスタートしたもので、名古屋大学大学院助教授の岡田猛の研究チームがその過程を記録、研究しています。ワークショップでは、小川信治が蚤の市で入手した古い写真60枚が素材として提供され、3つのグループに分かれた学生たちには、「60枚の写真を元に、架空の家族の物語をつくる」という課題が、小川から与えられました。
 
学生たちは、与えられた写真の中から、架空の家族を構成する人物を決定し、彼らのプロフィールとそれぞれの人間関係図を制作し、ひとつの家族の物語をつくりあげていきます。さらに、小川から提供されたアンティークの品々を、架空の家族にまつわる証拠品として解説を付け、まるで実在の歴史的遺品のように構成していきました。 小川信治はアーティストとして、これらの捏造された3つの家族を、「絵画」という小川自身の表現手法によって再構築していきますが、それもまた学生たちのつくりだした物語をきっかけに生まれた架空の画家 "レイモンド・チョーサー" の作品という形式をとっています。
 
この大変複雑で興味深いワークショップの成果は、名古屋大学博物館での展示にあたり、学生たちによって創作された物語とその関連の品々、小川が生み出した架空の画家レイモンド・チョーサーによる絵画作品に加えて、芸術的創作過程を研究課題とする岡田猛によるプロセスの検証という3部門によって構成されます。
 
学生とアーティスト、そして学問と芸術のコラボレーションから生まれる刺激的な創造の成果をご覧ください。

         (文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和)

   
 
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