Office Matching Mole on the Web/週刊モグラ屋通信 10



 週刊 モグラ屋通信 第24号 2000.10/30  


内藤です。 トヨタ・アートマネジメント講座 名古屋大会 終了後は、ひたすらだらだらだらだら……していたわけではなくて、まぁ、いろいろ仕事についてまとめたり、閉会間際に駆けつけた越後妻有大地の芸術祭についてのレポートを書いたりしようかな、しなきゃなぁ、などと思っていたらちっともモグラ屋通信が更新できませんでした。ここは、すっぱり諦めて、思いついた時にぽつんと書いたりすることにして、最近のオフィス マッチング・モウルの活動について、越後妻有での楽しい旅のスナップ写真などを挟み込みながら報告させていただくことにします。  (上写真: 中里村にあるリチャード・ウィルソン作品 『日本に向けて北を定めよ(74°33' 22")』



えーっと、何から報告いたしましょうかしら? そうだ、まずは、 われらがオフィスについにコピー機が導入 されたことをご報告せねば! いやぁ、長かった。コピー機導入までに1年近くかかってしまいましたよ、まったく。「贅沢はいかん」をスローガンにつましくつましくやってきた私たちでしたが、さすがにコピー機ないと不便極まりないことが身に染みました。導入の数ヶ月前、実はタダで古いがちゃんと業務用のキャノンのコピー機を手に入れることができて、せっせと遥か東京から運んだという出来事もなかったではないが (遠い目) 、そんな苦労をしてまで運び込んだコピー機がやや不調だったのだ。 で、キャノン販売の人を呼んで修理をお願いしたら「5万はかかりますよ」とか言われたものだ。「本当か? 本当にそんなにかかるのか?」。実は半信半疑というか、やや疑いの気持ちが濃厚だったんですが、「もう、こんな古いのじゃなくて、月々1万円以下でもっとずっといい機種をリースできますよ」と言葉巧みに営業されてしまって……。ついに大枚6千円代 (つまりキャノンのレンタルので一番安いやつ) を借りることになったわけです。コピー機のおかげで、本当に助かっています。これぞ文明の利器! って感じ? いや、まったく。仕事もはかどりますです。   (右写真: 松之山町にあるマリーナ・アブラモヴィッチ作品 『夢の家』の内部。「夢見るための部屋」の木の箱に横たわる池田ちか)



では、そんな風にしてはかどっているモグラ屋仕事とは? 実は、TAMの準備に追われていた最中の7月に提出してその結果を待っていたファン・デ・ナゴヤ美術展の企画がつい最近正式に通った旨の連絡を受けました。これは、2002年に名古屋市民ギャラリー等で開催予定のグループ展で、 作家の設楽知昭さん との共同企画で、オフィス マッチング・モウルが制作と運営を担当することになりました。この展覧会に関しての詳細は、追って報告することにいたしましょう。モグラ屋開設以来、初の展覧会の企画となりました。と、ここでふと思い出してしまった。そういえば、 今月10日にオフィス マッチング・モウルは事務所創立1周年 を迎えたのでございました。ちょっと忙しかったので、特別な行事はいたしませんでしたが、池田と私はふたりきりで1周年おめでとう、とオフィスでもってコーヒーで乾杯いたしましたとさ。しみじみ。    (上写真: 松代町にあるフランシスコ・インファンテ作品 『視点』とともに)



          

(上写真: 川西町のジェームズ・タレル作品 『光の館』にて。ふっ、タレルハウスに泊まってしまったよ。ということで、寝そべって空の光景に移り変わりを眺めている美術関係者たち。途中で眠ってしまったばかものは内藤です)

この仕事を始めた時、「どんな仕事があるのか?」なんて、あまり深く考えずに走り出してしまった私たちです。今年の初め頃には、決まった仕事もなくて冷や汗を流していたりもしました。今でも、爪に火を点すように相変わらずつつましいモグラ屋の日常です。TAM名古屋大会の事務局として、いろんな人と話す機会を持ちましたが、その時にアート・マネジメントを志すという人たちから何度も同じ問いかけをされました。いわく「アート・マネジメントで仕事がありますか?」。それで生活をしていけるのか? という不安がそこにはありました。う〜ん、最初に「生活ができるか?」なんて堅実な方向性というか人生観を持っていなかったものなぁ、私も池田も。そもそも、美術で生活、っていう発想自体が (公立美術館に職を得て公務員になるならともかくも) 現代日本では無謀というか。つつましいけど、堅実なこと考えていたら何もできないと判断したオフィス マッチング・モウルのふたりの思考回路はチャレンジャー・モードに設定されているので、あまり適切な返答ができなかったような気がします。


「どんな仕事があるのか?」という質問に関しては「あなた次第です」としか答えようがありませんでした。そして、結局は「どんな仕事がしたいのか?」ではないのでしょうか? あとは、その思いに沿って動いていけばいいのでは? 私たちのように、一歩ずつ、ちびちびですが前進していくもよし、その才能でもって一足飛びに羽ばたいていくもよし、です。でも、本当に一歩ずつですけど、オフィス マッチング・モウルは1年かけて少し前に進んだという手応えがあり、今も進み続けているという実感がある、ということを1周年を迎えた今、皆さまに報告させていただきます。ただ、私はひとりだったらできなかったような気がします。ということで、良き相棒であるちかちゃん、ありがとう。それから、エネルギーをくれた関係者のみなさまに心から感謝しつつ、2年目に向けてGO !


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 週刊 モグラ屋通信 第25号 2000.11/20  


内藤です。更新がまた遅れたのにはわけがございまして、オフィス マッチング・モウルの業務連絡のメールのやりとり、ウェブサイトの制作、経理もなにもかもに酷使しまくり、かつ事務所と自宅をほぼ毎日専用バッグに入れられて車に揺られて行ったり来たりして別の意味で過酷な環境下にあった内藤の愛機 COMPAQ PRESARIO 1230 がついに故障。半月近くの入院生活からやっと戻ってまいりました。約7万円の請求書付きで……。号泣。その間はよそのコンピュータに寄生して、とりあえずメールだけは使えるようにしていたのですが、よそのコンピュータで見るとこのモグラ屋のサイトのアラが目立って目立って。悔しいので年明けにはウェブサイトのマイナー・チェンジをすることにして、モグラ屋も2年目に突入した記念でもあり、まずは表紙をリニューアルしてみました。いかが?


さて、今月はやたら多忙なオフィス マッチング・モウルでした。忙しさは現在進行形。池田と私はそれぞれの担当の仕事に追われまくりでした。その隙間を縫って、でかけたのは コオジオグラギャラリー 。小川信治が昨年豊田市美術館で開催された『空き地 展』で発表した実験映像世界「チェーン・ワールド」をサウンドユニットによる演奏付きバージョンで再上映するということで、出かけてまいりました。小川さんはオフィス マッチング・モウルが企画・制作・運営をする展覧会 ファン・デ・ナゴヤ美術展2002『仲介者たち』 にも参加してもらうことになっています。最近は レントゲンクンストラウム ときの忘れもの など、東京での発表も増えていて、久しぶりに元気のいい地元の作家ということもあるし、今後の活躍がさらに楽しみな作家のひとりでしょう。


19日の日曜日には、その小川さんも交えて ファン・デ・ナゴヤ美術展2002『仲介者たち』 のミーティングを名古屋で。現時点で参加が確定しているこの展覧会の発案者の 設楽知昭さん 染谷亜里可さん 今村哲さん と私の4人の初顔合わせでもありました。これは、オフィス マッチング・モウルにとって初の展覧会の企画制作運営ということで、やや緊張しております。画廊勤めの頃は、展覧会は日常だった池田と私ですが、昨年事務所を立ち上げて、折りあるごとにふたりで「私たちのやりたい展覧会って何?」ということを話し合ってきました。画廊にいる頃と展覧会に対する意識はかなり変わっているのも事実。でも、作家を交えての時間を過ごすうちに、少しだけ遠ざかっていた展覧会魂(って何?)が私の中にふつふつととよみがえってくるのを感じました。ギャラリーという場で作った展覧会と、アートマネジメントの意識を強くしている最近の私たちが作る展覧会と、何がどう変わってくるのか? それが明確なかたちで現れるかどうかはまだわからないけれど、いろいろ思うところの多いこの頃です。しかし、それはそれとして、やはりアーティストの持つエナジーというのはすごくて、これはひとつに資源だなぁという思いを新たにしたミーティングのひとときでした。 ファン・デ・ナゴヤ美術展2002『仲介者たち』 の開催は2002年1月。さらに2名の作家が加わる予定。ウェブサイトもオフィス マッチング・モウル印で開催の半年前には立ち上げ予定です。


という感じで、私はただ今上記の展覧会にまつわるあれこれを、これから約1年間に渡り担当いたします。さらに、現在、今年の9月に開催された トヨタ・アートマネジメント講座 名古屋大会2000 の議事録の作成も担当中。テープ起こしされた文章に目を通すと、講師陣のことばのひとつひとつが珠玉の宝石のように輝いていますよ。TAM名古屋に参加された方には、あの感動をもういちどの意味を込めて。参加されなかった方はさらに必読といえますでしょう。完成は来年春頃になる予定です。ご希望の方がどういうふうに入手できるか? ということについては、実際に無事議事録ができあがった時点で改めてご報告させていただきます。しばらくお待ちください。


で、池田がなにをしているかというと、かなりヘヴィな仕事を担当しており、週に1〜2度事務所に顔を出す時は、たいていよれよれになっています。熱いコーヒーにいただきもののケーキなんかを付けてねぎらうと、喜びのあまり半泣きになっています。そんな池田の担当仕事は、とある展覧会の制作アシスタントとカタログ編集。打ち合わせのために東京、浜松、名古屋と事務所のある岡崎を行ったりきたりして、今月は数日をのぞき終日事務所でデスクワークしていた私とは大違いの大活躍でございます。たまにふたりの時間があえば、あちこちに営業をかけたりなんかもしたりしているんですよ。最近はやっと尻に火がついたというか、台所が火の車というか、まぁ、危機感というのはそんなに悪いものではないようで、1年経ってやっと少しずつ仕事をしているという実感が湧いてまいりました。来月もなにかと忙しくなりそうですが、今世紀最後のひとときを充実したものにして、さらに21世紀に向けてがんばりたいです(なんてありきたりな表現なんだ!)。とりあえず、来月最大の楽しみは、池田が東京、私は大阪でダムタイプの新作公演を見ることなのでした。わくわく。



     
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