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オフィス・マッチング・モウル 週刊モグラ屋通信 53


本日の担当:池田
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第129号 2005.12/10  

おかざき世界子ども美術博物館で『 バルーンアートの世界展 』がはじまりました。作品の設営はかなり大変でした。これもわたくしの準備不足と段取りの悪さによるもの。非常に反省しております。やはり現場では思いもしないこと (「予測しておけよー」ですね。すみません) が起こる。次から次に起こる。で、あわてたり、あせったり、落ち込んだりしながら、それをひとつひとつクリアしていく。そして完成。そしてやりとげた! という達成感。これぞ現場の醍醐味。なんだけど、このごろ身体がついていけない。体力いるし。もうおばさんのわたしにいつまで続けられるのでしょうか……。
 
とはいえ、参加アーティストの松岡さんと木村さん、バルーンファクトリーさん、子ども美術博物館学芸員の内藤さん、そして関係スタッフに助けられ、満足度の高い展覧会になりました。 つくづく思ったんですが、こういう現場作業でやはり心強いのは、ホームセンターの存在。ホームセンターなしでは展覧会はつくれなかったといっても過言ではない。足りない材料を調達するために、うちのスタッフが何度足を運んだことか。ありがとう! みんな。ありがとう! ホームセンター。 それから、吉野家とかつ家にもお礼を言いたいです。あたたかいお弁当 (やはり「肉」でなければならない) とお味噌汁は、現場作業で疲れた身体のなによりの活力となりました。
 
ということで、なんとかはじまった展覧会。入場者の反応もまずまずのようでほっとしています。今回、子ども美術博物館での企画ということで、子どもに美術の楽しさを体験してもらいたくて、参加体験型の作品や空間づくりにかなり重点を置きました。まず最初にあらわれる風船いっぱいの部屋。大きな白い風船でうめつくされた空間は、子どもはもちろん大はしゃぎなんですが、大人でもかなり楽しい。童心にもどれます。そして風船であそぼうコーナーで風船をふくらませたり、犬のかたちをつくってみたりしたあとは、松岡徹の「ペーパーバルーン号」と木村崇人の「こもれびドーム」。作品のコーナーはそれぞれの世界に浸れるようゆったりとした空間になっています。作品についてはぜひ会場で体験していただきたいです。ただ、松岡の「ペーパーバルーン号」は、その中を見るための探検スーツが子ども用しかありません。ご了承くださいませ (大人はのぞき窓から見ることができます)
 
このごろ続いていた子どもワークショップや今回の展示を通じて思ったことは、子どものためのワークショップや展覧会の意味や目的を考えることは当然のこととして、その子どもたちの親・保護者への配慮というかメッセージも大切なんだと実感しました。はっきり言えば、えっ? 子どもの前でそんな態度でいいの? というお粗末な大人がかなりいる。驚くと同時に勉強になりました。
 
 
たとえば、風船は割れるし、こわれやすい素材なんだっていうことをまず大人が分かってない。ふわっと浮かんでゆらゆらゆれる性質が風船のよさというか楽しみ方だと思うし、その感覚が人をしあわせな気分にさせ、風船というものが愛され続けてきた理由だと思うんだけど、そういう感覚がない。風船の扱い方が非常に乱暴で攻撃的。子どもは親の態度を真似するからね。もちろん風船は割れるものだから割れてもいいんだけど、なんていうか、ものに対する感覚が鈍っているというか。それは人に対する感覚もしかり。頭で分かっているのかもしれないけど、体感できてない。自分の身体のコントロールができない。恐ろしいと思いました。
 
でも逆に、美術ならその問題に一石を投じられる、とも感じました。美術には視覚だけでなく身体全体で感じるちからが必要だから。美しい、楽しい、せつない……あらゆる感情を感じるちから、自分と人・ものとの距離感や接し方を把握するちから、そういう人間の生理的感覚を高めることができる。 世の中いやな事件が多くて気が滅入るけど、美術の可能性を信じて、こつこつと仕事を積み上げていけば何かが変わる、そう思わないとやっていけませんわ。
 
 
現在進行形の仕事
三河・佐久島アートプラン21 『佐久島体験2005 祭りとアートに出会う島』 企画・制作/継続中
岡崎市シビックセンター 内田修ジャズコレクション 展示コーディネート/継続中
おかざき世界子ども美術博物館 『バルーンアートの世界展』 企画・制作担当/12月3日〜2006年3月5日開催
新岡崎市誕生記念事業モニュメント 企画・制作担当/2006年1月7日除幕式
 

本日の担当:山口
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第130号 2005.12/20  

一つの出会いは、その先に思わぬ道を開く可能性があります。
昨日、仕事が少し一段落ついたので (といっても私だけで、内藤と池田のお仕事はまだまだ……。おつかれさまです。) 知り合いの常滑市在住の陶芸家夫婦が主催してくれた、焼き物のイベントに参加することができました。
 
説明をするまでもないかもしれませんが、常滑は、瀬戸、越前、信楽、丹波、備前の日本六古窯の一つで、その中でも最も古い平安末期から約1000年に渡って続いているという歴史ある焼き物の街。場所は愛知県の左側、知多半島の付け根辺りの伊勢湾に面した場所に位置します。ちなみに、愛知の右側に住む私にとっては、あまり踏み入れたことのないエリアで、今回がおそらく3回目の常滑探訪でした。 ※左写真:犬小屋は常滑焼の土管でした
 
そのイベントは、「土と火と酒の宴」と題され、内容は、午前中にぐいのみの形を作って(土)、午後に焼いて(火)、夜それでお酒を呑もう(酒)! という、ちょっと驚きのスケジュールで、とっても欲張りなプランでした。 午前10時に、その知人の陶芸家夫婦が柱も床もほとんど自分たちで作ったという、雑誌に載っていそうな素敵な古民家風の住居兼工房に集まり、イベントの参加者たち約15名がそれぞれ自己紹介した後、早速、粘土でぐいのみの制作開始。焼き物作りが全くの初心者だった私は、全くイメージ通りに粘土と指が動かず、陶芸家の技術の高さを改めて感じる体験でした。お昼までになんとか3つのぐいのみの形を作って、それから約3時間、それらを電気窯で素焼きしてもらいました。
 
ぐいのみの形作りが終わったところで、昼食タイム。イベント参加者の方の所有物である、常滑在住のいろいろな陶芸家の方が作ったお皿の中から自分の好きなものを選んで、主催の陶芸家夫婦のお母様が作ってくださったトン汁などをいただきました。味はもちろん、気に入った器にもりつけられたごはんはよりいっそうおいしそうに見えて、食が進みました。お昼休憩の後、出来上がった素焼きに釉薬をかけて、今度はドラム缶で作られた特性の窯で約1時間かけて焼きました。辺りが暗くなったころ、窯から取り出された自分のぐいのみと対面。ぶかっこうだけど、自分が作ったものが形になるのはとても嬉しかったです。そして、夜、そのぐいのみを使ってみんなで乾杯。食卓には知多半島の海の幸と、またまた主催者のお母様による美味しい手料理が所狭しと並び、大変美味しく、楽しい時間をすごすことができました。 ※上写真:佐久島のボランティアでおなじみのメンバー
 
さて、やっとここから、最初の冒頭の一文について触れますが、今回のイベントには、私が 佐久島空家計画/大葉邸の2年目の制作 にボランティアで参加したときに出会い、その後もボランティアの常連として佐久島に来てくれているメンバーと参加しました。彼女らとは、 大葉邸の白い部屋 で漆喰を塗った体験から左官に興味を持ち、その後名古屋市で開催された左官入門講座に一緒に通った経験があります。その講座には、自分の住居の壁を塗る技術を習得するために、今回のイベントを開いてくれた常滑の陶芸家夫婦も受講していて、そこで私たちは知り合ったのです。
 
彼らは、今年の10月の毎週土日曜日に開催した 佐久島アートガイド大作戦 にも足を運んでくれ、そのときガイドを務めた名古屋芸術大学学生の男子チーム3人も、今回のイベントに参加していました。また、左官入門講座で講師として教えてくださった先生もお二人参加されていました。そのうちの一人は、これまた 佐久島空家計画/大葉邸の4年目の制作 で、黒磨き漆喰という超高度な技術を使って、出窓の前の部分をぴかぴかの美しい黒い漆喰で塗ってくださったお二人の左官の大先生のうちの一人だったのです。 ※左写真:出来立ての器とごちそうが並んだ宴の席。本当に美味しくて楽しかったです
 
 
出会った時期はみんなバラバラなのに、佐久島のアートを通して知り合った人たちと、今この楽しい時間を共有しできていることを、すごく不思議に思うと同時に、佐久島が結びつけてくれたご縁は、私にとって何物にも代えがたい財産だと強く思いました。 という訳で、こんな素敵な出会いのきっかけがある可能性大の、佐久島での制作ボランティアのチャンスが来年の2月にあります。松岡徹による『佐久島の庭』の制作が、来年の2月に約1ヶ月かけて行われ、毎週土日には一般の方が気軽に参加できるワークッショップも開催する予定です。まだ見ぬみなさんとの、新しい出会いを楽しみに待っています!
 
 
三河・佐久島アートプラン21 『佐久島体験2005 祭りとアートに出会う島』 企画・制作/継続中
岡崎市シビックセンター 内田修ジャズコレクション 展示コーディネート/継続中
おかざき世界子ども美術博物館 『バルーンアートの世界展』 企画・制作担当/12月3日〜2006年3月5日開催
松坂屋岡崎店5階催事場 『家康とJazz展』 展示コーディネート担当/12月26日〜2006年1月10日開催
新岡崎市誕生記念事業モニュメント 企画・制作担当/2006年1月7日除幕式
 

 
     
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