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オフィス・マッチング・モウル 週刊モグラ屋通信 56


本日の担当:内藤
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【今週のひとこと】

池田/肋骨にヒビが入って、笑うと脇腹が痛いです。
 
 

山口/お庭の制作を通して確実に力持ちになりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第134号 2006.6/6  

鍬を使って地面を掘り起こしたり、スコップでもって同様の作業をしたりと腰をかがめての作業を長時間続ける……それはいい。問題は、その後「よっこらしょ」と土を積んだネコ車を運ぼうとして腰を伸ばした時である。「うっ」。とりあえず激痛。そう、腰が曲りっぱなし状態というのは意外に楽で、大変なのはその後さぁ(沖縄風に←なぜ?)。  ※左写真:2月に、小山にへばりついて自力で貼り付けた芝生が、緑になってきました。ひと雨ごとに緑が濃くなる。
 
などと、全国の農業及び土木関係者の方々のご苦労をちょっぴり味わいつつ、松岡徹による『佐久島のお庭』の第2期制作が終了した。第1期制作完了後の写真リポートをご覧いただければ、季節の移り変わりをおわかりいただけるだろうが、約3ヶ月を経て、今や『佐久島のお庭』では、もろもろの植物たち (含む雑草) が、生命力及び繁殖力を炸裂させている。  ※右写真:小道脇には、愛・地球博で使われていたテーブルセット。ペンキも塗り替え大変身。
 
近々、写真リポートを掲載する予定だが、その前にちょっとだけ紹介いたしましょう。今回の制作では、上写真にもあるように、お庭でくつろぐためのテーブルセットのため、小道から枝分かれさせたスペースをつくりました。さらに、お山のふもとにある枕木の広場から、前回のお皿を貼った小道とは別の小道が反対方向に完成。新たな小道の先にあるなだらかな傾斜には、飛び石状の小道をつくりました。どの小道にもタイルがモザイク状にはりつけてあります。
 
今回はそれに加えて、ブロンズによる立体作品 弁天鳥 (“ベンテンチョウ”と発音してね)が小石を積みあげた塔の上に設置されました。顔は人間のようで、体は鳥、というのは迦陵頻伽 (“カリョウビンガ”。仏教における想像上の生物で極楽浄土で美しい声で仏法を説くといわれる。インド仏教美術では人頭鳥身、日本の仏教美術では有翼の菩薩形の上半身と鳥の下半身で描かれる)みたいですね。“弁天鳥”そのものに宗教的な意味はないけれど、この作品を見た時、特にその顔を見た時、私は「松岡徹ってば前世は仏師だったに違いない」と思ったね。いやほんと。ええお顔をしてはる……(だからなぜ関西弁?)
※右写真:これが“弁天鳥”。大島でぶいぶいいわせてる鳶と烏に負けるな。
 
ということで、今年度の佐久島での最初の展覧会はスタートしました。今年の島での展覧会は2本。 もうひとつは秋に 内藤礼の展覧会 です。すでに昨年から準備は始まっていて、息つく暇もなく新たなプロジェクトに取り組むモグラ屋なのでした。その前に、夏に佐久島の他にもあちこちでたくさんワークショップを開催予定。当分、モグラ屋には目が離せないと思う也。   ※左写真:『佐久島のお庭』の制作が無事に終えられたことを弁天さんと八劔神社に報告とお礼参りする関係者たち。
 
 
現在進行形の仕事
三河・佐久島アートプラン21 『佐久島体験2006 祭りとアートに出会う島』 企画・制作/6月6日更新
岡崎市シビックセンター 内田修ジャズコレクション 展示コーディネート/継続中
 


本日の担当:内藤
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第135号 2006.6/27  

少し前のこと。舞台芸術関係の方はよくご存知の NPO法人Japan Contemporary Dance Network (以下JCDN) から、ダンス公演出演者の選考委員の依頼があった。あたくしが、ダンス (コンテンポラリーダンスです) の審査ですか? 中部エリアには、ホール系からNPO法人の方から、功なり名を成した立派なダンス関係者諸氏がいらっしゃるのにあたくしが? 専門、現代美術ですが……。で、これまで見たのなんかあんなのとかこんなのとか、数でいったらホントたいしたことないですの、と、まずやんわりと辞退。が、「それだけ見てれば大丈夫です。ダンスがお好きと見ました」なんて謎の承認を受け、結局選考委員を引き受けることにした。ようするに私に求められているのは、細かいダンスの知識 (テクニックとか) ではなく、プロの企画者としての視点なのだと理解したので。
 
その選考会が今月頭に名古屋でおこなわれた。先に結論をいえば、選考委員はすごくいい経験だった。ありがとう、 JCDN 。会場は 長久手文化の家。そこのリハーサル室で JCDN が毎年全国展開しているコンテンポラリーダンスのプロジェクト 『踊りに行くぜ! Vol.7』 の愛知公演のために地元のダンサー2人と1組の中から1人(組)選出するのが当日の我々のお仕事。で、どのダンサーを選ぶか? という視点は、基本的には美術のアーティストを選出するのと変わらないものだった。それは、簡単に言えば「新しさはあるか?」「オリジナリティはあるか?」「作品としての完成度はどうだ?」ということ。ま、ここに「何を伝えたいのか、それがきちんと表現されているのか、それが伝わるか?」というのもあるんだけど、それは基本。そこに、バックボーンとなる該当ジャンルの知識が必要になる。美術でもダンスでも、一番見るのが簡単なのが「作品としての完成度はどうだ?」というところで、これは古かろうが、ありがちだろうが、完成度というのはある程度技術的な問題でカバーできるので、プロなら判断はしやすい。「完成度は高いけど、それがなにか?」みたいな作品も当然ある。というか、こういうの多い。ま、“感性”みたいな気持ち悪いもので作った“気分”だけの頭カラッポなへなへな作品より数段マシなのだが……。これは余談。
 
「オリジナリティはあるか?」という問題も、比較的既存ジャンルの知識があればプロならばわかって当然。問題は、「新しさはあるか?」という部分で、ここには、現在の表現から導き出される可能性の部分も含めて判断しなくてはならない(ついでに言えば、オリジナリティだって、そんなにホイホイ出会えるものではなくて、その可能性を作品の中から的確に見出すこともプロの仕事なのだが……)。現実には、新しいものなんて滅多になく、けれど、「現代美術」だの「コンテンポラリーダンス」だの、現在進行形の表現を扱う限り、簡単に放棄できない部分なのだ。かの『スタージョンの法則(SFの90%はクズである。ただし、あらゆるものの90%はクズである)』は残念ながら当たっていて、美術だろうがダンスだろうが、その法則から逃れられない。けれど、残り10%が他の90%の混沌に埋もれたままにさせてなるものかと、悪あがきをするのもまた私たちの仕事である。それは、ジャンルが違えども同じことで、滅多に他人の仕事に共感しない私であるが、選考会で JCDN のスタッフの方たちの発言を聞いていて、なんかちょっと「うんうん、そうだよね、そりゃそうだ」みたいな納得をした新鮮な経験だった。
 
選考会の意見は割れに割れ、まぁ、その原因は部外者である私のせい? みたいな部分もあった。もし、逆に美術のアーティストの選考会にダンスの人が入っていて、私のような主張(=もう、そういう狭い世界は見飽きた。なにか別のものが見たい。たとえ完成度に難があっても冒険しようぜ!)をされたら、私も同様の反論(=お金とって見せるものだからある程度、完成度のハードルは必要)をするに決まってる。当然だ。だから、私も今回の選考の結果にはまったくもって納得している。ギリギリのラインでの葛藤。素人さんにはわかるまい。いろんな意味で、 JCDN の人たちはプロ意識の高い人たちだった。日頃は、NPO不信を公言してはばからない私なのだが、認識を新たにいたしました。NPOにもまた、スタージョンの法則が当てはまることを確認できたことは大変喜ばしい。その他9割じゃない人たちに出会えて嬉しい。もちろん、最下層の経済環境であるにも関わらず営利法人ってだけで善意のNPOの人から極悪非道の商売人呼ばわりされちゃう私たちもこの法則から逃れられないの(くすん)。謙虚さも忘れちゃだめっ、絶対っ(……)
 
 
現在進行形の仕事
三河・佐久島アートプラン21 『佐久島体験2006 祭りとアートに出会う島』 企画・制作/6月6日更新
岡崎市シビックセンター 内田修ジャズコレクション 展示コーディネート/継続中
豊橋市 子ども芸術大学関連事業 ワークショップ4講座 企画・制作担当/8月開催予定 詳細後日
 

 
     
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