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オフィス・マッチング・モウル 週刊モグラ屋通信 58


 本日の担当:池田
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【今週のひとこと】

内藤/8歳の時、友達の絵の上手さに感動した。彼女はその後漫画家になった。三つ子の魂百までも。
 

山口/「大地の芸術祭」楽しかった! もう一回行きたいです。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 週刊 モグラ屋通信 第137号 2006.9/4  

子どものころ、図画工作の授業が好きじゃなかった私。なのになぜ今こんな仕事をしてるんでしょ。とくに写生大会は大の苦手。絵具と画板を持ってぞろぞろ公園なんぞに行って、一日絵を描いているなんて耐えられなかった。描きたい場所もなかなか決まらないし、風景をそのままそっくり描き写すことが「写生」だと思っていたから、上手く描けるわけもなし、いろいろそれなりに奮闘はするんだけど、巡回してる先生に「ここはこうしたら」なんて言われるともうダメ。描く気が失せちゃって最後は適当。色がついてりゃいいや、てなかんじ。いい思い出ないです。
 
まあ、私が子どものころは、上手に描くこと (たとえば本物そっくりに) =よいこと、とされていた時代でした。少なくとも私のまわりは。写生画なら構図がいいとか、絵筆のタッチがいいとか。木々の緑の濃淡をぼかしの技法で表現している! とかね (そういうふうに描く子がいた) 。そんな知識もないし、描き方を教えてもらった記憶もないし (先生の話を聞いてなかったのかもしれないけど) 、イジケまくってた。絵を描くことが好き! なんて言ってる人間は理解できなかったな。上手に描けた子に賞が付くというのもプレッシャーだったしね。廊下にずらりと展示されて、暗黙に上手下手を比較されるあの嫌なかんじ。言いたいこといっぱいあります。当時の美術教育への不満。
 
でも、そんなわたくしもに転機が訪れるのでございます。あれは小学4年生の夏? だったでしょうか。赤い羽根のポスターを描いてくることが夏休みの宿題かなんかで、これまた適当に描きあげたものが、“中日新聞社賞”だかなんだかを取ってしまったのです。新聞に顔写真入りで掲載されちゃったりして。今でも憶えています。ある日の授業中、ひとり校長室に呼び出された私。それはその受賞のための取材だったのでした。そのポスターは赤い羽根にちなんで、平和を象徴する鳩をあしらい、その鳩がこれまた四葉のクローバーかなんかをくわえて、空を飛んでいるという絵。新聞記者に質問されました。「どうしてこういう絵を描こうと思ったのかな?」「絵を描くことが好きなのかな?」「将来は絵描きさんになりたいのかな?」
 
今だから告白するけど、じつはあのポスターは盗作だったのだ。そうモチーフは完全に。何かに載っていた赤い羽根のポスターのパクリだった……。しかし、そんなこと正直に言えるわけもなく、口から出まかせで答えた取材。その状況に完全に当惑していたんだろうね。新聞には掲載されたコメントは「鳩とクローバーは平和と幸せの象徴。それで描きました。将来は絵描きさんになりたいです!」私の人生はここから道を外し、今に到るのだ。 小学生のころ、将来は人並みの女の子のようにシュチュワーデスになりたいと思っていたのに (これも恥ずかしいけど)
 
でもって、その「絵描きさんになりたい!」コメントはその後の人生に多大な影響を及ぼし、背負った苦労は数知れず。中学ではずるずると美術部に入るハメになり、高校でこれではイカンと少し反抗もしてみるけど、けっきょく進路を決めるにあたって偏差値の低い美術系を選択。もちろん、実技系ではありません。美学・美術史系、当時の同級生同士で多摩美の12チャンネルと呼んでいた芸術学科に滑り込んだのでした。 (まあ、それなりに楽しく過ごしたのだけどね)
 
ということで、子どものころの体験や思いは、そのひとつひとつがその人間をつくりあげる重要な要素であります。この8月、子どものワークショップをたくさんこなしたけど、自分が子どものころにこんな体験をしていたらどうなっていたんだろうか……。などとしみじみ思い、自分の人生と照らし合わせながら仕事しておりましたよ。はい。
 
 
現在進行形の仕事
三河・佐久島アートプラン21 『佐久島体験2006 祭りとアートに出会う島』 企画・制作/9月4日更新
  内藤礼 『返礼』 は9月30日〜11月5日開催
岡崎市シビックセンター 内田修ジャズコレクション 展示コーディネート/継続中
岡崎市美術博物館 『アートに生きる、アートで元気!』 制作・ワークショップ担当/8月5日〜9月24日開催中
 

 
     
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