三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2004 祭りとアートに出会う島
 
実験的ミュージアム・ショップ
『となりのおみせ』 写真リポート
何十年も使われていなかった倉庫がおみせになりました
オリジナル商品「弁天さん」         涼をよぶガラス器と漉き紙のランプ
特産品コーナー。ヒジキ、ワカメ、テングサや、携帯ストラップなど盛りだくさん
ガラス器や陶器が楽しく並ぶ。工芸ギャラリーみたい!?
オリジナル商品のスナメリグッズも             流木セットも結構人気
店舗デザイン・施工から接客まで、「となりのおみせ」は学生達の作品です。

 
 
【関連情報】
 『となりのおみせ』 2004 オープンのお知らせ
となりのおみせ
会場/弁天サロン隣倉庫

2004年5月〜10月末日(毎週 土、日曜日:営業時間 10:00〜16:00)
 
 
 
熱いご要望にお応えして、
「ショップ」できました。

 
昨年のこと、東京の出版社から「佐久島をアートの島として取材したい」という連絡がありました。取材のやりとりで「佐久島にレストランかショップがあったら教えてください」と尋ねられ、「レストランはありません。食堂ならありますが。ショップ……、おばちゃんたちがやってる地元特産品の無人市とかじゃだめ…でしょうねぇ」。ダメでした。
 
雑誌が発行された時、他の島はいろいろな物産品が紹介されていたのに、佐久島はアートだけの紹介。「もったいない! 佐久島にだって特産品はあるのに!」。無人市も素朴でいいけれど、ショップとは言わないまでも、お土産物の買える「おみせ」があったらどんなにいいだろうというつのる思いは、今年5月、「となりのおみせ」としてかたちになりました。
 
アート・グッズでよみがえる感動をお持ち帰り!
 
「となりのおみせ」は、アート・プロジェクトの中心基地となっている佐久島弁天サロンの隣にあることから命名。実は、NYにあるホイットニー美術館のミュージアム・ショップ「STORE NEXT DOOR」にヒントを得たのはここだけの話です。
 
もちろん、三河・佐久島アートプラン21のプロジェクトのひとつですから、普通のお土産物屋さんではありません。「実験的ミュージアム・ショップ」の名前の通り、島で開催されているアート・プロジェクトを訪れたお客さんに、佐久島でのアート体験の記憶を持ち帰ってもらうというひとつのテーマがありました。
 
そこで、小川信治「佐久島からの葉書」(5枚組、600円)の他、設楽知昭は「絵の帽子」(リトグラフ刷り、2種各限定150、500円)、「恋人くるくる」(ソーマトロープのおもちゃ、300円)などの展覧会に連動したアート・グッズがお目見え。クラフトの作家たちもたくさん参加しています。
 
足助屋敷で人気の柄沢照文のかわいらしい粘土細工には、「弁天さん」や「黒真珠猫」(500円)も登場。佐久島の植物を使った手漉きポストカード(200円)や「スナメリのスーナちゃんの抱き枕」(2200円)など、佐久島オリジナルの新商品がにぎやかに並んで、アート体験の余韻と佐久島の記憶をお土産物というかたちで運んでいます。
 
島民による商品開発
 
「となりのおみせ」のもうひとつの使命は、島民によるお土産物の開発です。それは、ただ商品をつくるというだけでなく、島民自身が今まで気付かなか民自身が今まで気付かなかった島の資源に目を向け、それを島外の人に魅力に感じてもらえる表現をする、という大切な目的があります。その目標に向けて、パッケージの工夫や、新製品の開発などが積極的におこなわれました。
 
人気商品は手書きのレシピ付きの「乾燥ヒジキ」(250円)や、「乾燥テングサ」(500円)など。浜辺で集めた流木セット(3本100円)、シーグラスセット(100円)なども、島らしいお土産として好評です。他にもさくら貝でつくった「ドア・チャイム」(500円)や貝殻携帯ストラップ(500円)など、島民のアイデアで続々と楽しいお土産物が生まれています。
 
モノを通して佐久島に出会う場所
 
何十年も使われていないかった小さな古い倉庫を、「ショップ」と名付けても差し支えないほどお洒落な内装にし、店頭に立ってお客さまを迎えているのは、学生たちです。手づくりのお店に並んだ手づくりのお土産物を、彼らは心を込めて訪れる人に手渡します。並んでいるのは商品ですが、そこで交わされるのは島の記憶と「となりのおみせ」に関わってきたたくさんの人たちの気持です。

(文責:オフィスマッチングモウル 内藤美和)
 
2004年度全記録
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル

「となりのおみせ」、使用前。開いた穴から外が見え、雨は漏り、床が抜けて学生が転落したりもした。
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