三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2005 祭りとアートに出会う島
 
『提灯行列 2005』 写真リポート

今年は行列のルート内に中川佳宣制作の「巨大回り灯籠」が出現。参加者の目を楽しませてくれました。
 
  行列の足を止めて巨大回り灯籠をながめる参加者たち。
 
  裃(かみしも)姿の行列の先導役    アーティスト木村崇人も盆踊りの輪に
 
江戸時代から400年の歴史と言われる西の盆踊り「ヤートセ」は、島に語り継がれる哀しい心中物語の主人公の魂をなぐさめるために始まったと言われる。
 
 
【同時期開催】
 佐久島弁天祭り 2005
 佐久島アート・ピクニック 2005
 となりのおみせ プロジェクト 2005


■ 日時:2005年8月15日(月)
      19:00〜19:30
■ 大浦海水浴場
(集合場所)
  〜崇運寺
 
 
なぜ、祭りとアートなのか? 再び

 
8月14日の東の盆踊り、15日の西の盆踊りと16日の弁財天祭典は佐久島で伝統的に続いてきた夏の祭礼です。2001年、『三河・佐久島アートプラン21』と名づけたアートによる地域活性化事業がスタートした時、企画を担当する私はそこに「祭りとアートに出会う島」というキャッチコピーを付け、この3日間を総称して「弁天祭り」と名づけ、さまざまなアートイベントやワークショップをその中に導入しました。
 
「祭りとアート」という言葉では、「祭り」に佐久島島民が培ってきた伝統(過去)を、そして「アート」には世界を広げ未来へ続く現在というイメージを託しています。アートがインターナショナルな表現のひとつであるということもそうですが、何より、別に世界一周しなくても、佐久島にいても世界観を無限に広げる可能性を持ったもの、それがアートだと考えたからなのです。過疎や高齢化の問題をかかえ、地縁血縁で保守性・閉鎖性の強いこの土地に必要な新しい血液、それがアートのひとつの役割だと強く感じました。
 
5年目の提灯行列
 
島内での人口も多く、宿泊施設も集中している東地区から、400年の伝統を持つ西の盆踊りにどのように人を動かすことができるだろう? 2キロという道のりを一度にたくさんの人を運ぶ交通手段は佐久島にはありません。夜とはいえ夏の暑い中、2キロの道のりを文句を言わせず楽しく歩いてもらう方法、それが提灯行列でした。
 
祭りの前に島内で廃棄されていたペットボトルを集め、アーティスト松岡徹によるワークショップで手作り提灯をつくります。西地区で、ずいぶん前から行われなくなった正装(裃姿)の祭礼役による盆踊りの先導を復活させ、提灯行列を盆踊り会場である西地区の崇運寺まで先導してもらうかたちをとりました。
 
提灯行列も2001年からスタートし、今年で5年目です。次第に夜のとばりが降りていく中、人家もない真っ暗な道をたくさんの提灯が光の帯を作って進む様子はとても幻想的です。それは、ほんの一時のはかない美しさですが、あの光景をいつか誰かが思い出してくれたら、幸いです。
 
(文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和)
 
 2005年度全記録
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル

この時期の夜、船は夜光虫の海を進む。すっごく、キレイなんだこれが。
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