三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2005 祭りとアートに出会う島
 
 
愛知万博地域連携プロジェクト
 
ようこそ佐久島! 渡船場大作戦
制作リポート
4月29日(祝金) 晴れ
ゴールデンウィーク中の船の発着は川下の臨時渡船場へ移動しているため、無人になった一色港渡船場へ、既に大学で制作しておいたシルクスクリーンで文字を印刷した看板やカットした木材など材料と道具を、どっさりと運び込む。二手に分かれて、その間にもう一方のチームは、佐久島の大工さんに斜面の作業現場でも使用ができる調節具のついた脚立を借りに行く。渡船場の人たちにも協力をしてもらって、一色港渡船場へ運び込み、道具が揃ったところで作業がスタート。

7人が効率よく作業できるよう、外壁正面班と外壁側面班、待合室内班に分かれて作業を進める。外壁班は、まず看板を取り外す。その後汚れでくすんだ壁を雑巾で水拭きし、錆びたボルトをブラシでこすって錆び落としをする。室内班は、まず室内の長イスやごみ箱、それに扉が開かなくなるほど物で溢れていた倉庫の荷物を全て外に出し、大掃除。その後、大きく穴の開いていた部分にベニアを貼り付け、内壁全部のベニアにアク止めを塗る。

室内班は少し遅れた程度でほぼ予定通り作業が終わったが、外壁班は相手が数十年ものの年季の入った汚れと錆のため相当手ごわく、予定の3分の1程度を落とすので精一杯だった。佐久島行き最終便に乗り遅れないよう急いで片付けをし、佐久島の宿舎へ移動。夕食後にミーティングを行う。全体的に予定より遅れているため、明日は無駄な時間を作らないよう作業の手順を確認して終了。
 
4月30日(土) 晴れ
朝8:20発の船に乗って一色港へ向かう。昨日と同様、外壁正面班、外壁側面班、室内班の3班に分かれて作業開始。室内班は、内壁のベニアに下地材のシーラーを塗り、ペンキ塗り1回目、2回目を手際よく着々と終わらせ、昨日の遅れを挽回。外壁班は、午前中に昨日の作業予定分の汚れと錆落としを終わらせる。苦労したが、見違えるほどきれいになり気分がすがすがしくなった。

午後からはハケで壁にシーラーを塗る。外壁は平坦ではなく小刻みに波打っているため、ハケでコツコツ塗らなくてはならない。4人で手分けして、外壁もペンキ塗りの1回目を塗り終えて、本日の作業は終了。最終便に乗って佐久島へ戻る。この日は、民宿「さざなみ」のオーナーの好意で、民宿の大浴場に入らせてもらう。汚れも疲れも落とした後、「島を美しくつくる会」の会長さんからボランティアのお礼にと、夕食のお招きを受け、おいしいご飯とお酒をおなかいっぱいごちそうになる。宿舎に帰ってからミーティング。明日の作業手順を確認して終了。
 
5月1日(日) くもりのち雨
天気予報では朝から雨が降るというこの日、神様が作業を見ていてくれたのか、昼までは何とか持って雨が降り出す直前にペンキ塗りが全て終わる。ブルーシートで雨よけをして、作業は続行。この日は、外壁班と室内班の二手に分かれて作業を進行。

室内班は、窓やドアのペンキ塗りや長イスの水拭きなど、細々した作業をこなしていく。また、室内の3分の1を占める畳の空間を活かすために、端材でちゃぶ台を制作する。内装の完成イメージが見えてきた。外壁班は、ペンキ塗りの後、壁に角材を打ち付ける作業に取りかかる。この角材の上に、大きな水色の板を打ち付け、その上に時刻表や運賃表などの看板を見やすく配置して取り付ける手順だ。しかし、ここで今回の作業一番の大問題が発生する。角材が壁に打ち付けられない。その一番主な理由は、外壁が2枚重なっている場所があるなど厚さにバラつきがあり、用意したネジの長さでは足りなかったことだった。

今ある素材でできそうなやり方を考えて試してみるも、効果的なやり方はみつからず、タイムリミット。最終便で佐久島に戻る。自分たちだけでは話しが進まないので夕食後、島の大工さんに相談に行く。長いネジをワッシャーで止め、さらに超強力ボンドで固定するというやり方教えてもらい、材料を分けてもらう。さすがプロ。助かった。今日は大幅に作業が遅れたため、夜遅くまでミーティングをして明日で終えられるよう作業の手順を細かく決める。
 
5月2日(月) 晴れ
最終日の今日は荷物を持って、一色港へ移動。大幅に遅れている外壁の作業を分担して全員で取り掛かる。昨日大工さんから教えてもらった方法はうまくいった。思わず拍手が沸き起こる。昼食を食べ終わると皆すぐに作業に戻る。時間がない。外壁の角材の取り付けが終わると、二手に別れて室内も完成させていく。

室内は掲示物を分類して見やすく張り、またイスやちゃぶ台にニスを塗って仕上げる。外壁は、水色の大きな板を、取り付ける位置を測りながら角材に打ち付けていく。この水色の板が付くと一気に完成が近づいた気がした。水色の板がついた場所から、順番に看板やポスター、パンフレット入れを取り付けていく。これらはほとんどが学生たちによって新しく作り変えられたものだ。見やすく、使いやすく、かつ美しくなるよう考えられている。辺りが暗くなった夜7時すぎ、ようやく完成。いろいろな問題が発生し時間がかかった分、完成の感動は大きく、しばらくみんなで感動に浸った。学生たちが時間と労力をかけて作った一色港渡船場、いつまでも大切される場所であってほしい。
               (文責:オフィスマッチングモウル/山口潤子)
 
 
【関連情報】
 ようこそ佐久島! 渡船場大作戦
 ようこそ佐久島! 渡船場大作戦 写真リポート

 
【同時期開催】
 佐久島アート・ピクニック 2005
 となりのおみせ プロジェクト 2005
 中川佳宣 畑のワークショップ・プロジェクト
 佐久島弘法祭り


 

完成図や図面もばっちり準備して、いざ。
 

まずは外壁の看板を全てはずす。
 

外壁を水拭き。雑巾はすぐに真っ黒。
 

夜はみっちりミーティング。
 

ハケで少しずつペンキを塗る。
 

内壁はアク止めを塗ってからペンキ。
 

テレビの取材中も真剣に作業。
 

端材でちゃぶ台を作る。
 

待合室のベンチはニスを塗ってきれいに。
 

一番苦労した角材の取り付け作業。
 

水色の板の上に看板を取り付け。完成間近。
 

新聞3社、ケーブルテレビ1社の取材がありました。
 
 2005年度全記録
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル

待合室の窓をはずすとまるで絵のよう。
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