三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2009 祭りとアートに出会う島
 
 
『佐久島大学3 海を渡る蝶アサギマダラ観察会』
写真リポート
 
講師の窪田先生。たくさんの資料を持ってきてくださいました。これは標本
 
顕微鏡で「あさぎ色」を見てみると……おおっ! 本や雑誌でもお勉強しよう
蝶の捕獲の仕方を教えてもらう。 捕獲網はレフ版みたいな折りたたみ式
 
さあ、いざ、アサギマダラの元へ!  山の中のお花畑に到着。観察開始です
 
白いタオルを振り回して蝶をおびきよせます  あ、あそこにアサギマダラが!
 
「待て待て〜」すっかり童心に戻る大人 「ゲット」。虫好きな少年はとても上手
 
アサギマダラは参加者に次々と捕獲されます。  はじめての体験の人も
 
羽の下の方に黒い●があるのがオスです こちらはメス。交尾経験ありです
いよいよマーキングに挑戦。蝶を傷付けないように、やさしく情報を書き込む
いつまでもアサギマダラを追いかけていた虫大好き少年。来年もおいで!

 
 
 
 
 
 
 
【アサギマダラとは?】
 
アサギマダラ(浅葱斑、Parantica sita)は、チョウ目・タテハチョウ科・マダラチョウ亜科に分類されるチョウの一種。翅の模様が鮮やかな大型のチョウで、長距離を移動することでも知られている。日本全土から朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ山脈まで広く分布。
 
アサギマダラの成虫は1年のうちに、日本本土と南西諸島、台湾の間を往復していることが知られている。ただし北上する個体と南下する個体は子孫の関係で、同じ個体が移動する渡り鳥の移動とは異なる。 移動の研究は、捕獲した成虫の翅の半透明部分に捕獲場所・年月日・連絡先などをマジックインキで記入(マーキング)、放蝶するという方法で個体識別を行う。このマーキングされた個体が再び捕獲された場所・日時によって、何日で何km移動したかが分かる。
 
研究者達によって、夏に日本本土で発生したアサギマダラは秋になると南西諸島や台湾まで南下、繁殖した子孫が春に北上し、日本本土に再び現れるという行動が明らかになった。中には直線距離で1,500km以上移動した個体や、1日あたり200km以上の速さで移動した個体もある。
 
               出典 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
 
 
 
【関連情報】
 『佐久島大学1〜3』 開催のお知らせ
 
【同時期開催】
 佐久島アート・ピクニック 2009
■ 開催日時/
  2009年10月11日(日)

  10:00〜12:00
■ 集合場所/
  弁天サロン・寄り合いの間

■ 講師/窪田宣和
      (半田農業高校教諭)
■ 参加者人数/16名
 
 
蝶の来る島
 
数年前にテレビで紹介されて以来、よく知られるようになったアサギマダラは、遠くは台湾から日本へ飛来する「渡りをする蝶」です。春には南から北へ、秋はその逆に、世代交代して渡りを繰り返すこの蝶の実態は、マーキングによって詳細がわかってきました。
 
佐久島でも10年前に、今回の講師である愛知アサギマダラの会の窪田先生や島の小学生たちによってマーキングがおこなわれ、当時の小学生の捕獲した蝶が、南大東島で再捕獲された記録が残っています。その頃から、佐久島にアサギマダラが渡っていることはわかっていました。島内には、秋の渡りの季節にはアサギマダラが好むツワブキが自生しているのです。
 

 
2年前、島民による活性化のための組織「島を美しくつくる会」のメンバーによって、島の森の中にささやかなフジバカマの花畑がつくられました。昨年はそこでたくさんのアサギマダラを観察することができたのです。けれど、その時は、「わぁ、アサギマダラがいる」という鑑賞程度に留まり、蝶の専門知識もなく、ただ、「海を渡る蝶」という言葉の響きにロマンを感じて満足していたのです。
 
今年は少しまじめに、蝶の生態について素人ながらに勉強してみようと、25年もの間、アサギマダラの研究・観察を続けておられる窪田先生にお越しいただき、「佐久島大学」として、講義と蝶の観察をおこないました。レクチャーのおこなわれた弁天サロンには、標本や顕微鏡、写真パネルや本などの各種資料が並べられ、充実したレジメや窪田先生が寄稿したナショナルジオグラフィックス日本版の記事などを参考にしながら、現在わかっているアサギマダラの渡りの状況についてのお話を聞きました。
 
アサギマダラのオスとメスの見分け方や、メスであれば交尾をした後かそうでないかを生まれて初めて知ることになった参加者(私たちを含め)も少なくなかったと思います。知る楽しみをダイレクトに味わうことが出来て、子ども時代に戻ったような気持ちでした。
 

 
その後は、いよいよ観察会です。まずは捕獲網の使い方やマーキングの仕方を教わり、蝶を呼び寄せるために各自白いタオルを持って森の中へ向かいます。
 
観察会には、老若男女がまんべんなく訪れてくださいましたが、蝶を追いかけている姿を見ていると、みな童心に返るようです。佐久島ではじめて捕獲されてマーキングされた蝶もいますが、福島や富士山でマーキングされた蝶も再捕獲することができ、当日の記録はインターネットを利用している人は個人で、そうでない人は私たちがとりまとめて、すでにアサギネットへ報告しました。
 

 
観察会には、アートピクニックの途中のカップルも飛び入り参加。佐久島の魅力の多様性をアサギマダラとの出会いで記憶にとどめてくれたのではないでしょうか? この日観察会でマーキングしたアサギマダラを誰かが遠い南のどこかの場所でまた出会うかもしれない、そんなことを考えてワクワクしたのは私だけではないでしょう。
 
一過性で終わるのではなく、佐久島での観察会は今後も続けていきたいと考えています。観察だけではなく、自生しているツワブキや花畑のフジバカマを守っていくという地道な作業も同時進行でおこなう必要があるでしょう。今回の観察会ではアサギマダラを通して、私たちは自然の豊かさと不思議さに出会うことができました。その感動を大切にしていきたいと考えています。
 
(文責:オフィス・マッチング・モウル 内藤美和)
 
窪田先生の「海を渡る蝶アサギマダラ 日本各地に広がる調査の輪」が掲載されているナショナルジオグラフィックス日本版2007年5月号
 2009年度 年間スケジュール
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル

アーティスト・ふるかはひでたかさんも参加。すっかりマーキングに夢中。
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