田中翔貴展『海を見に行く』の初日は、時折雨も降る肌寒い天気。少し前から国内での新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、例年の同じ時期より訪れる人が少ない佐久島での展覧会スタートとなりました。



　佐久島でのアート・プロジェクトで、ギャラリーでの展覧会は2016年の たないりほ『弘法みちさんぽ』 以来です。佐久島のプロジェクトでは、いかに野外作品が多いか。偶然ですが、３年振りのギャラリーでの本展も写真作品の展覧会になりました。真っ白な空間に９点の写真作品が並んでいます。そこで、田中翔貴によって、作品が完成するまでの経緯が語られました。



　アーティスト・トークと続く交流会は、上記の状況もあり、ごく少数で作家を囲んだささやかな会でしが、少人数だっただけにいつもの交流会よりも気軽に作品について作家と会話を交わす機会を多く持てたと思います。本展は、佐久島では初めて年度をまたいで続く展覧会で、５月10日までが会期です。

　新型コロナウィルスの感染を懸念して外出を避けている今の状況が好転すれば、これからたくさんの人たちが佐久島を訪れ、本展を鑑賞することになるでしょう。この静かで、それでいて驚きに満ちた作品との出会いが多くあることを願ってやみません。

（文責：オフィスマッチングモウル 　　　　内藤美和）