三河・佐久島アートプラン21
佐久島体験2007 祭りとアートに出会う島
 
  
平田五郎展 『佐久島空家計画5/大葉邸』
制作リポート 2
2007年8月9日〜14日
8月9日(木)

一日余分に参加してくれた松本君帰還。本当にお疲れさまでした! 残されたぶうちゃん、黒目さんの元へ、名城大学チーム5名が合流。男子が3名もいます!! これで、作業はがぜん進むことでしょう。平田さんの指導にも熱が入ります。女の子たちも土間打ち作業に加わるがひとりは、黒目さんと共に水屋戸棚作品の部品制作へまわる。狭くて暑い土間(冷房なんて当然ありません)の作業も、名城チームはガッツでこなしていくのであった。
■ボランティア 8名/小林淳・横山将基・森川祐喜・山本枝実・水谷綾子(名城大学)、高木志瑞子、黒目利江、松本大樹
 
 
8月10日(金)

土間打ちは作業を5分割して5日間にかけて進めていくことになっている。この日はその2日目。午前中に材料を配分したり混ぜたりして、午後から土間打ちという手順。平田さんは土間打ちと水屋制作の現場を行ったり来たり忙しい。土間打ちは、左官の大師匠岡田氏の指示に従っているのだが、強度を高めるために土と土の間に魚網を張るように言われている。セメントだとワイヤーメッシュを入れるところだが、土間の場合は網の方がいいらしい。漁師さんにもらった網の中から平田さんが選んだ目の粗いものを初日に使ったのだが、全面に張るには量が足らない。
 
材料調達係のマッチングモウル内藤が、あちこちの漁師さんに聞きまわり、今はほとんど島で使われていないが、かつて似たような網を使っていたという漁師さんを教えていただき、その家まで網を貰いに行く。亡くなったご主人が使っていたというカクダテの網を、奥さんが惜しげもなく分けてくださる。ありがとうございました!! ボランティア、島民のみなさん、たくさんの人たちの協力で大葉邸の制作は進んでいくのであった。ぶうちゃん、本日まで。入れ替わりに敏ちゃんが食事班として再び来島。貴重な夏休みを佐久島に捧げてくれて、感謝の気持ちでいっぱい。
■ボランティア 8名/小林淳、横山将基、森川祐喜、山本枝実、水谷綾子、高木志瑞子、黒目利江、酒井敏子
 
 
8月11日(土) 土間づくりワークショップ

本日は、1日だけの参加者も受け入れる日。土間づくりワークショップと銘打ったが、子供連れの方からの問い合わせに「小学生は無理かもです……」と申し訳ないことに。想定していたより、ずっとずっとキツイ作業だったのだ。結局、京都から日帰りで参加してくれたツワモノの陶芸家・林さんと通常メンバーで、土間打ち作業3日目が始まった。どこがワークショップやねん? という感じかもしれないが、言い方を変えれば大葉邸制作そのものが「大葉邸をつくろう!」というワークショップみたいなものだ。と、とりあえず善意の解釈をお許しくださいまし。
 
土間打ち作業の準備はまず庭からスタートします。土間の材料を配合し、左官用の“クワ”を使って“フネ”の中で混ぜます。材料には消石灰を入れますが、これがパウダー状のたいへん細かいもので、作業班は暑い中防塵マスクを装着しての作業です。消石灰はまたとても強い成分なので、軍手で扱うと肌がガサガサに荒れてしまいます。そこで、ゴム手袋などをするのですが、これがまた暑い。砂、土、砂利、消石灰をにがり水を足しながらさらにまんべんなく混ぜます。左官の大師匠曰く「パサパサに固すぎることなく、ダラダラに柔らすぎることなく」と微妙な水加減です。混ぜたものを土間に均一に撒き、軽く押さえて魚網を敷き、さらに材料をその上に均一に撒いて角材を使ってさきほどより強めに押さえます。
 
表面が水平になるように押さえてから、今度は少し細めの角材の上から鉄ハンマーを打ち込み叩きしめます。後は、表面がコンクリートのようにカチカチになるまで、これ以上叩いてももうまったく沈まないところまで何時間も叩きます。最終的に叩いた状態でも水平がでるように調整し、最後にコテで表面を磨き、土間打ちの工程は終了です。
 
■ボランティア 7名/小林淳、横山将基、森川祐喜、山本枝実、水谷綾子、黒目利江、酒井敏子
 
 
8月12日(日)

土間打ち作業も4日目。平田さんは、土間作業をすっかり覚えた名城大学チームに任せ、いよいよ水屋戸棚の制作に没頭。この日、名古屋から来てくれた社会人ボランティア2名は、平田さんのサポートに当たる。アーティスト・イン・レジデンスの前期中(14日まで)に土間作業を完了したいという平田さんの予定はなんとかクリアできそうな状態。平田さん曰く、「名城大学チームは最強のボランティア。作業の覚えが早く、体力もあり、かつ自分たちで考えて工夫することができる」。もうすっかり頼りにしているのでありました。みんな、ありがとうね!! 平田さんの機嫌も悪くない。さあ、もうひと頑張りだ!
■ボランティア 8名/石田久美子・永田実佳(名古屋市)、小林淳、横山将基、森川祐喜、山本枝実、水谷綾子、酒井敏子
 
 
8月13日(月)

予定より1日早く土間打ち作業終了。5回に分けての作業なので、どうしても継目が目立つが仕方ない。これも「景色」と考えることにしましょう。名城大学チームの作業がどんどん進化していく過程も出来上がった土間から読み取ることができるのも一興だ。この日から名城大学の欄さんも合流。船に乗る前に、島からの材料買出し指令を受けて、本土側ですでに走り回ることに。無事足りなくなったセメント5袋をゲットして島入り。感謝感謝。さて、明日は前期の最終日。どこまで作業が進められるでしょうか?
■ボランティア 8名/欄めぐみ(名城大学)、石田久美子、永田実佳、小林淳、横山将基、森川祐喜、山本枝実、水谷綾子
 
 
8月14日(火)

お天気に恵まれた、というか、猛暑の今年、さらに湿度の高い佐久島でのアーティスト・イン・レジデンス、前半は無事終了。この日は、海で材料の石拾いや、土間づくりの道具や材料の片付けなど、後期作業に備えた準備が中心でした。みんなで記念撮影をする心の余裕もあったり……。翌日から2日間、引き続き弁天祭りのボランティアとして島に残る名城大学チーム6名とマッチングモウル内藤は島に残り、石田さん、永田さんと平田さんは最終便で本土へ戻っていきました。まずはお疲れさま!
■ボランティア 8名/石田久美子、永田実佳、小林淳、横山将基、森川祐喜、山本枝実、水谷綾子、欄めぐみ
 
 
           
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【関連情報】
 平田五郎 アーティスト・イン・レジデンス 2007
 平田五郎展 『佐久島空家計画5/大葉邸』
 『佐久島空家計画5/大葉邸』 制作リポート1
 『佐久島空家計画5/大葉邸』 制作リポート3
 『佐久島空家計画5/大葉邸』 写真リポート

 
【同時期開催】
 佐久島アート・ピクニック 2007
 となりのおみせ プロジェクト 2007

 
9日、いよいよ名城大チーム参戦。土間打ち本格化
土間の表面をコテで均す平田さん
貰った魚網のサイズをそろえる
戸棚の部品づくりに励む。一転して細かい作業
 
土間づくりワークショップ作業工程





土間打ち工程のすべて。
この日の昼ご飯。とても美味しかった
土間上り段の養生をはずす瞬間。
まるでコンクリートの打ち放しみたいな仕上がり
13日。土間打ち作業最終日。
14日。前期制作最終メンバー。平田さんを囲んで記念撮影
 
 
 
 
 
 
最も過酷な作業を耐え抜いた皆様
小林君       森川君
横山君    エミリアンこと山本さん
水谷さん      黒目さん

 
 2007年度全記録
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■主催: 幡豆郡一色町
■共催: 一色町大字佐久島・島を美しくつくる会
■企画・制作: 有限会社オフィス・マッチング・モウル
建築を学ぶ学生たち、こんな経験も始めてでした
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