Office Matching Mole on the Web
オフィス・マッチング・モウル 週刊モグラ屋通信 41


本日の担当:内藤
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第99号/創立5周年記念特集 1 2004.10/20  

10月10日は、オフィス・マッチング・モウルの創立記念日でした。なんと、モグラ屋は5周年を迎えたのです。5年というのが長いのか短いのか。ただ、5年前の私たちが、公私共に現在の自分たちを想像することは不可能だったということはいえますでしょう。だいたい、半年前には事務所移転というのも夢みたいな話だったわけだし。まったく、人生というのは、激流に似ている――、というか、私たちの人生はという但し書きが必要かもしれないけれど。でも、強運な私と池田は、激流に転覆することもなく、スタート地点からは遥か遠くにたどり着いた旅の仲間という感じがします。滅びの山はまだ遠いのね。
 
5年の間、私たちはいくつかの大きな決定を下してきました。その中でも一番重要だったのは、組織を有限会社にしたことです。2004年現在、美術に限らず芸術系の企画をする組織で大流行なのはNPO。アート業界でも、石を投げればNPOに当たるというくらいに雨後のタケノコ状態。その結果、最大派閥の数の論理という世の常によって、今や営利法人(有限会社とか株式会社とか)っていうと営利目的の悪の組織みたいに言われたりするんですね。いやぁ、本当にびっくりです。ここは資本主義経済の現代日本か? と疑いたくなります。で、必然的にワタクシは、小さいながらも悪の組織の親玉になっちゃったわけです。アッチョンプリケ! まぁ実際、へこむことも少なくない。公務員やりながらNPOやってる人に「営利を離れて純粋にアートのためにやりましょう!」とか言われても、「あんたの給料誰が払っとるんじゃ!」と吼えたくもなるです。
 
もちろんNPOだっていろいろありますから、全否定してるわけじゃありませんので、誤解をしないように。問題は、「他からの収入があるため組織として経済的に自立しなくても運営できるNPOが、本業として自立している営利企業に対して動機が不純だという発言や態度を示して、結果的に営業妨害をする」ことが横行することです。でもさぁ、本来はNPOだって、経済的に自立しなきゃいけないんじゃないの? 自立するには、人件費を含む経費だってちゃんともらわなきゃダメなんじゃないの? ついでに言えば、お金を出す側(行政や企業)も、NPOだから人件費いらなくて安上がりでラッキー! とかそういうセコイ発想はやめた方がいいんじゃないの? 昔の人はいいました「タダほど高いものはない」と。これって単なる迷信かね?
 
アーティストが霞を食って生きているわけではないように、それをマネジメントする私たちだって同様です。そういえば、以前、同業者が「僕たちの時給って均すと200円くらい」って言ってたけど、ホントにその通り。あちこちの大学に、アートマネジメント学科なんてできているけど、卒業する彼らはいったいどこへ行くのだろうか? いろいろな場所でアート・マネジメント講座があるけれど、それってもしかしてボランティア養成講座なの? 間違ってると思う。そして、これまで私はそれをはっきり口にしてこなかったとも思う。怠惰でした。でも、これからは言います。
 
私たちの主な仕事は「社会とアートをむすぶ」と一般的に言われるアート・マネジメント。なぜ、そういう仕事があるのかというと、社会にアートが必要だから。飢えているアフリカの子どもたちがアートで空腹を満たせるわけがないし、爆弾が降ってくるのをアートが防げるわけじゃない。でも、もし、世界にアートがなくなったら、人類はゆっくりと死に至る病に冒されていくのと同義です。もしもアーティストがこの世に存在しなかったら? それはありえない。アーティストが存在したから、この世界があるのっ。それを実感するのは、簡単なことではないかもしれない。ところが、私は昨晩、真夜中、佐久島で島民たちと喧々諤々の議論をやっていたその時、ふと、思ったんです。アートのちからってすごいなって。島民のひとりが「平田さんの大葉邸は、島の宝。私たちが外に誇れる大切なものだ」って熱弁をふるったのです。発言者はかつて「アートが活性化の何になる? 観光客が押し寄せるのか? 儲かるのか?」という発言をしたこともありました。でも、その人には「たしかに豊かになった」という実感があるのだと思います。
 
ひとつの作品が、人を豊かにする。この仕事をしていることに誇りを感じる瞬間でした。同時に「ミッション・インポッシブル」なアート・マネジメントの仕事の可能性を感じる瞬間でもありました。佐久島では、ずっと島民の感情に翻弄されてきました。もう、もみくちゃです。「ながら」の片手間では絶対にできない仕事。アートやアーティストだけと関わっている仕事ならばこんなことはない。地域社会に飛び込めば、「はじめにアートありきではない普通の生活者たち」との葛藤から逃れることはできません。私たちは、画廊や美術館以外にも、人びとの暮らしの中にアートがある社会をつくりたいと考えたのだから、現場との葛藤は当然です。ものすごくしんどい。でも、結果は出せる。そしてこれは、人生を賭けるのにふさわしい仕事です。善意でやっているわけじゃない。誇りがあるからできるのです。
 
オフィス・マッチング・モウルの活動も6年目に入りました。私たちのすべきこと、実現可能なことはまだまだたくさんあります。そして、本当にたいせつなものが何なのか、少しわかったような気がします。たくさんのアーティスト、仕事で関わったすべての人たち、私たちの仕事をみてくれたまだお会いしていないあなたにも、感謝の気持を伝えたい。さて、6年目。5速にギアいれました。行くわよっ!(←暴走気味)
 

池田ちか
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 創立5周年記念特集 2  

この5年間、ほんとうにいろいろなことがありました。はじめは右も左も分からず、世間知らずというか、怖いもの知らずというか、今思えばぞっとするようなことも多々あり。周囲にかなりの迷惑をかけていたに違いありません。とにかく無我夢中でやってきて、気がつけばあっという間の年月でした。今ではちょっぴり世間の厳しさも知り、それなりに困難も喜びも経験して、ようやくそれなりになってきたのかなと思います。
 
もともとさぼり性のうえ、公私共にかなり問題児の私。そんな私に根気よく付き合ってくれた内藤、また事細やかにサポートしてくれる山口にはほんとうに感謝しております。それから仕事でお付き合いくださる方々にも。おそらく「(変わり者の)池田さんだから…」と大目に見てくれているのでしょう。感謝感謝。
 
ということで、今回モグ通5周年記念にあたり、私なりの今後の野望(展望)を皆さまにお伝えし、あらたな誓いを立てたいと思います。
 
誓い〈その1〉 事業の拡大、売上げアップを目指す。
   〈その2〉 年に一度は社員で慰安旅行に行く。
 
もちろん〈その1〉は〈その2〉のため。慰安旅行は海外が希望ですわ。とりあえず来年はイタリアとスペイン、その次はスウェーデンをはじめ北欧なんかいいですね。 それから、マッチングモウルはうん年後(何年後かは秘密)に大転換期を迎える予定。そのためにも、ますます気合を入れて頑張ります。
 
気合入れついでに「エレガント&まごごろ」のキャッチフレーズも変えましょうか。今思えば何ともやさしいフレーズ。20世紀の私はまだまだ可愛かった…。 今日からは「お笑い&筋肉」いやいや「ユーモア&体力」ぐらいにしておきましょうか。ユーモアで乗り切って(笑ってごまかし)、あとは体力勝負(強引に押し切る)。いやあ、人間変わるものですな。しみじみ。
 
こんな私ではございますが、マッチングモウル共々、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 

山口潤子
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 創立5周年記念特集 3  

今から5年前の秋、オフィス・マッチング・モウルは誕生しました。 現在入社半年の私は、その頃高校3年生。たしか、奈良美智さんが名古屋で大きな個展を開催していて大はしゃぎをしていた気がします。今思い出すとずいぶん昔のことのよう。それから現在までの間、高校卒業、大学卒業、就職と私にとっては大きな出来事が多数ありました。
 
しかし、モグラ屋創設スタッフの二人にとっては、私とは比べ物にならないほど、ものすごくいろいろな出来事があった5年間だったのだろうと、この半年の二人の様子を見ていて思います。この半年でさえ、かなりの仕事量をこなしていて、その10倍もの間、この濃密な時間を続けてきたのかと思うと、本当に尊敬します。
 
私はこの半年間の仕事を通して、デスクワークだけでも現場仕事だけでもなく、いろんなことができる面白さ、魅力的な人たちにたくさん出会える喜び、素晴らしい作品、展覧会を完成させるために、ほんの少しでも自分が力になれているという喜びを体験することができました。この恵まれた仕事をできているのも、二人の5年の努力と苦労があったからです。二人と、それに二人を支えてくださった方々に感謝し、少しでも恩返しができるように、これから一日々々頑張っていきたいと、創立5周年を迎えこれまでを振り返ってみて、つくづく思います。
 
 
現在進行形の仕事
三河・佐久島アートプラン21 『佐久島体験2004 祭りとアートに出会う島』 企画・制作/
  南川祐輝展『おひるねハウス』 10月2日〜12月5日開催中

岡崎市シビックセンター 内田修ジャズコレクション 展示コーディネート/継続中
岡崎市美術博物館  『江戸のシュールでリアルな美 驚きの浮世絵』 /制作・図録編集/
  2004年10月28日〜11月28日開催

愛・地球博フレンドシッププレ事業 『スウェーデン・デイ+スウェーデン・ナイト』 /企画・制作/
  2004年12月11日開催 於:岡崎市シビックセンター

『トヨタ・子どもとアーティストの出会い in 愛知』 /豊田市内ワークショップ企画・制作/
  2004年10月23日、24日開催 於:豊田市文化会館隣 枝下公園 ※詳細はこちら

岡崎市シビックセンター 子どもワークショップ/企画・制作/於:岡崎市シビックセンター
  「たのしい楽器をつくってみよう! 〜オーストラリアの民族楽器ディジュリドゥ〜」 2004年11月23日開催
小川信治展 『家族の肖像』 展覧会制作・カタログ編集/2005年1月19日〜2月18日開催予定
  於:名古屋大学博物館

 

 
     
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