Office Matching Mole on the Web/週刊モグラ屋通信 15



 週刊 モグラ屋通信 第35号 2001.4/3  

 
内藤です。突然ですが、本日からこのサイトのURLが変わりました。と言っても、すでにこれをお読みの方はもうおわかりのはずですが、さらにオフィス マッチング・モウルのメールアドレスも変更いたしました。新しいメールアドレスは office@m-mole.com です。今後、ご連絡の際にはこちらへお願いします。
 
さて、3月31日、4月1日には、名古屋港のガーデン埠頭界隈にて 『@port』 が開催されました。一週間前の現地下見会の時には、ぽかぽか陽気だったのですが、初日は冬に逆戻りしたような寒さと海から吹き付けてくる強烈な風に、終日野外で過ごした関係者のみなさまは本当にお疲れさまでした。それから、そんな中、お運びいただいた方々には心から御礼申し上げます。翌日は、前日と比べればずいぶん暖かでしたが、それでも花冷えと申しましょうか、やはり外は寒かった。天候に左右される、会期の短い野外のアート・イベントのたいへんさを改めて痛感いたしました。イベントが開催されたのは、地下鉄「名古屋港駅」の出口周辺で、土日ともなればかなりの乗降客が利用する駅です。しかし、大量の乗降客は、地下鉄出口から歩いてすぐの所にある、ガーデン埠頭内の水族館エリアに直行してしまい、帰りはまた駅にまっしぐら。商店街は閑散として、訪れる人も少ない……。そこで、「まちのにぎわいづくり」をテーマに、地元商店街や港区役所と若いアーティストたちによってこのイベントは企画されました。
 
内容は、パフォーマンスあり、作品展示あり、模擬店あり、フリーマーケットありと盛りだくさん。少しでも多くの人にイベントをのぞいてもらおうと、地下鉄が着くたびにどかどか降りてくる人たちにチラシを配りまくり、最後は地元商店街の人たちの模擬店の呼び込みもしました。今回のような通りを使ってのイベントというのは、模擬店やフリーマーケット以外は金銭の動きはないし、集客のカウントも困難です。どの部分を「結果」と考えるのか、その捉え方はさまざまだと思いますが、私たちなりにそのことをこれからも考えていきたいと思っています。というわけで、春になり、いくつか仕事も進行中のオフィス マッチング・モウルですが、それらの報告はまたぼちぼちと。
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第36号 2001.5/8  


一ヶ月のご無沙汰です。貧乏暇なしを絵に描いたように多忙を極めていた4月のオフィス マッチング・モウルですが、「人間らしい心のゆとりを取り戻さなければ、なんのアートぞ!」とちゃっちゃと世間並みにゴールデン・ウィークなるものを満喫。しかし、今度は休みボケのため連休明け初日の昨日は、脳みそが悲鳴をあげていた内藤です。忙しくて後回しにされていた作業を事務所で猛然と片付ける池田と私。「最近ビジネス文章を書いてなかったので書き方を忘れた」池田と、「やることが多すぎてどこから手を付けていいのかわからなくなっている」内藤のふたりは、気合を入れ合いながら、通常の60パーセントくらいの効率でお仕事お仕事。昨日のモグラ屋的流行語大賞は池田による「本気と書いてマジと読む」。って、古いよ……。
 
並行する仕事の隙間を縫って、ちょっとだけアートなおでかけ。4月10日は、名古屋市民ギャラリーで開催された『名古屋コンテンポラリーアートフェアー』へ。22日には、岡崎市美術博物館で『ベルギーの巨匠5人展』の最終日に駆け込み。寡聞にして存じませなんだレオン・スピリアールト作品がとっても良かったので、ミュージアムショップでスピリアールトの『海水浴からの帰り』をいう作品のマウス・パッドを購入してしまったりした私です。26日は、池田とふたりで岐阜のギャラリーキャプションにて『小川信治 展 二つの点――another drop』。その帰りに名古屋今池のライブハウス得三で『こまっちゃクレズマ』のライブ。CDを購入し梅津和時にサインをもらうミーハーな内藤でございました。
 
ゴールデンウィーク中は、アートな人たちとの交流あり。自宅でごろごろしていた内藤の元へ、名古屋芸術大学講師の高橋綾子さんと、その友人でフリーランスでアート関係のお仕事をしている立松由美子さんがふらりと遊びにやってきました。その後、近所の原田真千子さん (現在『BT』で中部地区の展覧会評を担当) もいっしょに、岡崎市内の丸石醸造で開催された「100円で利き酒&試飲会」というイベントへ出かける。たったの100円でこんなに呑んじゃっていいの? っていうか、利き酒なんだから真っ赤になるまで呑むなよ、ってなもんですが、楽しいひとときでございました。連休中にこうして養われた鋭気を、早急に仕事に活かすべし。
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第37号 2001.5/17  

 
内藤です。5月は春だと認識していたけど、ここ愛知県はすっかり夏です。この季節、食費を節約するため自宅に植えたルッコラやバジル、シソ、レタス、ミニトマトがぐいぐい大きくなっていくのを見るのは楽しいものです。庭仕事をしていると、自分のしているアートの仕事にも似ていると思うことよ……。限られたスペースと予算で、どのような庭をつくっていくか? それぞれの植物は成長の速度も、草丈も収穫期も違う。いつも結果を予測しながら、せっせと水をやり肥料をやり、それから雑草抜きと害虫駆除、ときたもんだ。えいやっ。
 
このところいくつもの仕事を並行して抱えていて、どうしても事務所にこもりがちになっていたので、先週末は池田とふたりで脳みそをシャッフルさせるべく、名古屋へ展覧会を見に行きました。まずは 白土舎 鷲見麿 『smart 「定価0円」project 「スミマロの育児絵日記」10,000冊は「美女」だった!』 。最終日のせいか、人多し。作家の鷲見さんも画廊にいて、訪れた人たちにものすごいハイテンションで話をしていました。私たちも、定価0円で「スミマロの育児絵日記」を購入。サインとおことばをいただき、ひたすら圧倒されまくる。鷲見さんは名古屋を中心に活動されていて、地元の人以外にはあまり馴染みがないアーティストかもしれませんが、そのペインティングは名古屋人だけで独占しておくには惜しいものがあります。白土舎は、そういう名古屋を拠点に活動しながら、素晴らしい作品を発表しつづけるアーティストを地道に紹介し続けてきました。すでに全国区になった奈良美智さんもこのギャラリーのアーティストです。 白土舎のウェブサイト も最近オープンしました。
 
続いて出かけたのは、 ケンジタキギャラリー 。1階で 大塚泰子 展 、2階では 染谷亜里可 展 が開催中。この日はオープニングということもあり、にぎやかでした。 染谷亜里可 は、オフィス マッチング・モウルが企画・制作として関わり、来年1月に開催される 『ファン・デ・ナゴヤ美術展 仲介者たち』 の出品作家のひとり。三重県在住の彼女も、地元を中心に活動しているアーティストですが、さらに、あまり画廊で作品を発表したことがなかったせいで、地元でも知る人ぞ知る (というか、知ってる人しか知らない)アーティストでした。不肖、ワタクシ内藤、不覚にも染谷さんの作品を知らなかったのです。「どうしてこんな作家を知らなかったのか?」と我が身の無知と不勉強を責めたりしましたよ。そんな染谷さんの個展が、すでに ケンジタキギャラリー東京 でありました。「東京の個展どうだった?」と尋ねたら「誰も私を知らないので、きっと学生くらいに思ったのか『これから、この世界でやっていけるよ』と励まされちゃった」とのんびりしたお答えでございました。
 
以前も、このモグ通で書いたことがあると思いますが、名古屋エリアには、こうしたローカルで着実に活動を続けているアーティストと彼らを紹介し続ける企画画廊があります。アートの情報は、この情報化時代と言われ続けて久しい現在も相も変わらず東京中心で、名古屋のようにまとまって現代美術の企画画廊がある地域のアート事情すらエリア外の人たちにはなかなか伝わっていないのが現状です。名古屋でいい展覧会を見て、素晴らしい作品を制作しているアーティストに会う度に、「こんな作家を知らず、この展覧会を見ずに (たくさんの美術関係者が)人生を終えるなんて……」と落涙を禁じえない内藤でございますわ。ぐすん。とまれ、泣いていても仕方ないので、そういう作家を交え、また自分の生きてきた時代を検証する意味で来年1月 『ファン・デ・ナゴヤ美術展 仲介者たち』 を開催します。乞うご期待。地元は元より、中部圏外の人たちも是非お運びいただきたく存じます。ちなみに、 染谷亜里可 展 は6月9日まで開催中で、機会があればぜひ足を運んでください。白土舎と同じく、 ケンジタキギャラリーのウェブサイト も最近開設されました。どちらも画廊スタッフによる自主制作 (!)です。そんなこんなで「愛知県に生まれて良かったよ……」と、しみじみ思ったりする今日この頃です。
 
そういう感謝の気持ちと私たちの経験を、アートを生業とする者として、いかにこの地域に還元していけるか? というのが当面の、そして将来の私たちオフィス マッチング・モウルの課題でもあります。アートという表現の世界は、ものすごく大きく世界へ繋がる可能性を持っているけれど、自分の立っているその足元がぐらぐらしているようではいけない。オフィス マッチング・モウルはあくまで地元主義の現場主義。「あれ、東京の仕事だってしてるじゃん」と言われることもこれからあるでしょうけど、それをしている私たちの視点が、この土地で培われたものだということは、大切だと考えています。
 
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 週刊 モグラ屋通信 第38号 2001.5/23  

 
内藤です。前回の更新から今日まで、何をしていたのかというと、毎日キーボードを打ちながら企画書や原稿などの書きもの仕事に終始。したがって、ここに特筆すべきことがぜんぜんないのでした。すみません。まぁ、しいていえば、池田がコピーを取っている途中に「ぎこぎこぎこぎこ」となぞの音を発してコピー機が沈黙してしまったことでしょうか。「なに? この忙しい時に! キャノンを呼ぼう!」。すぐに駆けつけてくれたキャノンの修理担当者氏 (微妙にグッチ裕三似)は、さくさくと直してくれたので、私たちもコーヒーなどで労をねぎらったりなんかして……。「じゃあ、ご苦労様でした」と修理担当者氏を送り出した後、ではでは仕事の続きを、と池田がコピー機の電源を入れた途端に、再びあの「ぎこぎこぎこぎこ」という音が。もちろんコピー機は不穏な音を発する以外はピクリとも動かない。大騒ぎしながらまたキャノンに電話。ゴムボールが跳ね返るように、勢いよく戻ってきたグッチ氏 (仮名)はふたたび修理に臨むも、その甲斐もなくオフィス マッチング・モウルの大切な大切なコピー機は沈黙を守っていたのでした。
 
仕方がないので、モグラ屋の愛機であるコピー機を修理に出し、替わりのコピー機を借りることになりました。そうなると「どうせだから、性能のいいのを貸してほしいなぁ」と四の五のいう私たち。その後、グッチ氏は、貸し出し用のコピー機とそれを運ぶ助っ人とともに舞い戻ってきました。そのコピーは男性ふたりがかりでないと運べないようなシロモノで、掛け声をかけながら2階にある事務所の入口まで運び上げられたのです。私たちは場所を空け、万全の体制でそのコピー機の搬入を事務所内で待ち構えておりました。しかし、一向にコピー機は運び込まれない。しばらくして、ドアの外からグッチ氏の「このコピー大きすぎて入口から入りません」のひとこと。がくっ。結局、そのコピー機は、内藤実家である1階の仏間に一時的に置かれることになりました。数時間のばたばたに、どっと疲れた私たちが事務所で仕事をしていると、階下から「なに? この大きい機械は!」と帰宅した内藤母の怒声が……。明日は月参りでお寺さんが来るとかで仏間から撤去命令がくだされる。男性ふたりがかりで大騒ぎして運んでいた大物コピー機を、今度は私と池田のふたりで悲鳴を上げながら廊下に運び出しました。明らかに畳と廊下にコピー機を引きずった跡の傷が付いているのを、とりあえず仏間がすっきりして満足している母はまだ知らない。
 
 
     
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