Office Matching Mole on the Web/週刊モグラ屋通信 16



 週刊 モグラ屋通信 第39号 2001.6/6  

 
先週から引き続き書きもの仕事に没頭している内藤です。事務所にひきこもり状態なので、さらに報告することがあまりないです。が、ひとこと言っていいですか? 私は知らなかったが、西条秀樹は趣味がいい 。これって、すでに業界の人たちには周知の事実のこと? 日曜日の夜、ぼんやりテレビを見ていたら、とあるトーク番組で「西条秀樹のバリ島の別荘」というのを紹介していました。そしたらまぁ、奥さん、建物のインテリアの趣味が素晴らしいんですのよ。さらに、シンプルな室内にはアンティークなバリの置物などといっしょに、明らかに現代美術と思われる作品が何点も掛けられていたんですの。ちょっと誰の作品かわからなかったんですが、なかなかのセンスの持ち主と推定されますわ。さらにヒデキのたまわく「友達の影響でこういう作品に興味を持った」云々。いゃぁ、びっくりしました。とんだところに伏兵が……ってやつです。とりあえず、ヒデキに感激。
 
そんなこんなで、デスクワークに没頭しつつ、目の前に山積みされた課題をクリアするため、このところ何人ものアーティストたちに連絡を取りまくる日々。どんな困難なことも、彼らといっしょなら乗り切ることができるという確信を持てるのは、そのアーティストたちが皆誠実に私たちの提案に対して考えてくれるからです。すでにいっしょに仕事を始めている作家も、もう少し先にいっしょに仕事することになるだろう作家も、みんなそう。それが私たちにものすごいエナジーを与えてくれる。感謝感激の気持ちは速攻仕事へ活かされて、「うりゃあ、もう止まりません!」って感じ。てなわけで、そろそろモグラ屋的怒涛の日々が始まります。どんなアートのあれこれを皆さまにお届けできるか、報告できる日も近いかな?
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第40号 2001.7/2  

 
ご無沙汰しました。内藤です。さて、ひとつきほど地下活動を続けておりましたが(?)、今週からこの「モグラ屋通信」の更新ごとにオフィス マッチング・モウルの新しい仕事を次々と紹介させていただける見通しが立ってまいりました。というわけで、その第一弾として、佐谷画廊ウェブサイトである 『佐谷和彦の仕事場』 の報告をさせていただきます。実はこれまでも、私たちは受けた仕事の一部としてウェブサイトの制作をおこなってはいました。たとえば トヨタ・アートマネジメント講座名古屋大会2000 が一例。けれど、外注というかたちでウェブサイトの制作だけを担当したのは今回が初めてです。
 
佐谷画廊はすでに『vr佐谷画廊(「ヴァーチャルさたにがろう」と読む)』というウェブサイトを持っておりました。今回、私たちはそのサイトの全面リニューアルの企画・制作・運営を担当しています。ご存知の方も多いと思いますが、佐谷画廊はその長い銀座での画廊活動を2000年に停止しました。ここ数年、いえ、この10年近くの間、どれだけたくさんの画廊がスペースを閉鎖していくのを目にしてきたでしょう。最初、私は佐谷画廊もそのような画廊のひとつと考えておりました。けれど、ウェブサイトの制作というご縁で、この数ヶ月間、何度も佐谷画廊のディレクターである佐谷和彦氏とお会いし、インタビューを続ける中で、「なんだかこの人は想像とはちょっと違うな」という印象を持ったのです。ある意味、「ちょっと変だな」という感じ。この「変さ」というのが何だろうと、あれこれ考えていくうちに、「ああ、これが美術業界の人間の持つDNAなのだな」と思い至ってしまったのでした。なんというか、いわゆるひとつの「ユリイカ!」というやつ……。
 
最初は「過去の佐谷和彦氏の業績をきちんとまとめていく」というコンセプトでサイトを構成することを考えていました。でも、ユリイカがユリイカが……。というわけで、結局、私は同業者として先達のしごとを整理しつつ、さらに美術業界の人間のDNAについて言及しなければならないという欲張りな方向性を選択することになりました。そして、 『佐谷和彦の仕事場』 の中で、佐谷氏本人を紹介する 「佐谷和彦物語」 という連載を始めました。戦前の地方都市に生まれた佐谷氏が、どのように美術と出会ったか? 美術とは無縁の学部で学び、普通に就職した氏が、サラリーマン生活20年を経て、つまり「けっこういい年になってから」どうして無謀にも美術の世界に飛び込むことになったのか? そして、独立。日本を代表する現代美術の画廊のディレクターとしての華々しい日々。73歳になって画廊の閉鎖、それから1年ほど経ち荻窪の自宅での多忙な日々と信じられないようなポジティブ・シンキング……。佐谷氏の歩んできた道の中には、アートの世界を越えて、さまざまな立場の人たちに示唆を与える要素が溢れているのでした。そのことをどれだけ伝えられるか? このチャレンジはまだ始まったばかりですが、どうぞ「美術業界」という不可思議な世界に興味を持たれる方には、ぜひお読みいただきたいと思います。
 
さてさて、最後になりましたが最近のアートなおでかけ。6月18日は東京にて 土屋公雄彫刻作品集 (美術出版社刊) の出版記念パーティーに出席。6月26日、池田と豊田市美術館へ 野村仁展 のオープニングにでかける。会議会議で事務的作業に追われ、とにかく忙しかった6月の、ささやかなアートなお時間。
 
 
現在進行形の仕事
・ 佐谷画廊ウェブサイト 『佐谷和彦の仕事場』 (企画・制作・運営)
 
 
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 週刊 モグラ屋通信 第41号 2001.7/16  

 
私たちは海からの心地よい風に吹かれていた。雲ひとつない青空。目に鮮やかな夏の花々、浜辺に響く子供たちの歓声、照りつける太陽がまぶしい。夜の海の幻想的な夜光虫の輝きもはじめて見た。オフィスマッチングモウルのすばらしい島での休暇……ではない! 仕事なのだ。というわけで、内藤です。この3ヶ月あまり、私たちは頻繁に船に乗っていました。この1ヶ月に至っては、毎週というほど船上のひとでありました。
 
そんなオフィスマッチングモウルのあたらしいしごと場は、です。愛知県は、東に渥美半島、西に知多半島というふたつの大きな半島があって、そこに抱かれるようにあるのが、三河湾という内海です。湾内で人の住む島は3つ。その中で最大の島が私たちの仕事の現場である 佐久島 (さくしま)です。
 
湾内で人の住む3つの島のうち他ふたつは、知多半島から船で渡ります。半島からも近く、観光地として中部地方の人たちには馴染みの多い場所です。ところが、佐久島は、幡豆郡一色町の所属であるため、半島ではなく、本土側からしか定期船が出ていません。一色町自体が観光地ではないことから佐久島というのは地元でもマイナーな存在となり、ある意味、開発から取り残されました。バブル経済の時期も、佐久島には開発の波ではなく、静かな三河湾のさざなみだけが打ち寄せていたわけです。   ◆ (「高速船はまかぜ」からの、佐久島のながめ)
 
その「手つかず」の状態こそが、かけがえのない佐久島の資源となりました。ハードではなく、ソフトで地域の魅力を引き出すためのすぐれた素材がそろっていることもあって、準備期間も含めた昨年度までの5年間、佐久島はアートをコンセプトにした地域の活性化事業に取り組んでいました。平成13年度の今年4月から、オフィスマッチングモウルが、その事業の企画・制作を担当することになったのです。プロジェクト名称は 三河・佐久島アートプラン21 、本年度のテーマは 『佐久島体験2001 祭りとアートに出会う島』 。アートのちからで地域社会に活力を作り出すため、私たちのアート・マネジメントによるあらたな挑戦が始まります。
 
『佐久島体験2001 祭りとアートに出会う島』 というタイトルからもおわかりになると思いますが、佐久島には一年を通してとても魅力的なお祭りがたくさんあります。美術館でも画廊でもなく、特定の地域でアート・プロジェクトを展開する場合、私たちが大切にしたいのは、土地の持つ個性です。そこで、今年開催される4つの展覧会のほとんどは、佐久島の大きなお祭りと時期を合わせ、付随するイベントも、アートがお祭りや地域のにぎわいに貢献できる内容を予定しています。  ◆(海沿いの散歩道。この道を抜けると眼下に三河湾の絶景が広がる)
 
佐久島は、今、過疎化と高齢化という問題をかかえています。65歳以上の高齢者は47%に達し、成人すると多くの若者が島を離れるために、島の小中学校にはあわせて21人しか子どもがいません。人口は360人。社会生活を快適に維持するためには、深刻な状況です。オフィスマッチングモウルに与えられた課題は、多く、そして大きいと痛感しています。「アートで地域の活性化」という「方向性としてはただしく、実現は困難なこの方法論」を選択し、地元でまだまだ経験も浅い私たちにプレゼンの場を与え、そのプランを実現するチャンスを与えれくれた佐久島で、私たちがこれから何をしていくのか? ここをお読みの皆さまにも、ぜひ、ともに体験していただきたいと思います。
 
オキテ破りの短い準備期間で、とりあえずスタートするこのプロジェクト。秋には 小川信治 、冬は 松岡徹 、初春は 平田五郎 の展覧会やワークショップが、島の祭りの時期と連動して開催される予定です。その露払いとして始まるのが、7月21日からの『弁天奉納三人展 ―小川信治・松岡徹・平田五郎―』です。今年度、島でさまざまなアート活動をおこなう三人の作家を、佐久島の人たちに紹介するために企画されたこのグループ展と、夏祭りに関する詳細は『佐久島体験2001 祭りとアートに出会う島』をご覧ください。また、今後はこまめに私たちの活動を報告するため、不定期ですがメール・ニュースの発行を始めました。購読ご希望の方は、 メール版モグラ屋通信 購読お申し込みページ から登録をお願いします。すでに第一号が送られている方は、改めて登録の必要はありません。  ◆(遠くに渥美半島が見える)
 
海が好きなひと、アートが好きな人、お祭りが好きな人、社会とアートの出会いの場づくりをするアート・マネジメントの仕事に興味のある人……。このプロジェクトにはいくつものキーワードがありますが、その中のひとつでもあなたの琴線にふれるものがあれば、三河湾最後の聖域と呼ばれる佐久島へ、海を越えてどうぞお越しください。いくつもの出会いがあなたを待っているはずです。もちろん、オフィスマッチングモウルもあなたとの出会いを楽しみに待っています。 佐久島公式ウェブサイト もありますので、島の歴史や名物料理、島びとの横顔、佐久島への交通アクセスや宿泊情報等はそちらでどうぞ!
 
 
現在進行形の仕事
・ 佐谷画廊ウェブサイト 『佐谷和彦の仕事場』 (企画・制作・運営)
・ 三河・佐久島アートプラン21 『佐久島体験2001 祭りとアートに出会う島』 (企画・制作)
 
 
     
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